asahi.comに興味深い記事が書かれていた。2007年度には全入時代が来ると前々から言われてきたが、それは誰も避けて通ることは出来ない。昔から大学の難易ランキングが雑誌などで紹介されたりしてきたが、難易度=偏差値の高さといった具合に、偏差値はまだまだ今後も大きな影響力をもち続けるような気はする。そんな中で、「Fランク」大学とは、入試が簡単すぎて合否ボーダーラインが算出できない大学のことだという。記事では、「Fはフリーパスの意味」とのことも書かれていたが、最近は「BF:ボーダー・フリー」と言う様になったそうだ。どちらにしろ、合否を出すといったことはこれからも難しい状況にはなってくるだろうし、なかなか募集が上手くいかない大学はそのまま試験など関係なく入学させるケースも出てくるに違いない。もうその状況は既に訪れている。【定員割れ】大学関係者ならば聞きたくもないし、必死に避けたいことだが。
では、「Fランク」大学は今後増加の一途をたどるのか、と思えば逆なようだ。「F」=簡単な大学と思っている方は少なくないかもしれない。だが、これからは大学に入ってからが勝負の時代だ。アメリカの大学は入ることはそんなに難しいことではない、またトランスファーなどで自分にあった大学を探すため、転々としている学生達もいる。アメリカの大学でのマーケティング調査の中に面白い項目があった。「retention rate」と呼ばれるもので、何を表しているかというと、学生が入学してきて、2年目、3年目にそのまま大学に残っているかどうかを表す率だ。アメリカの大学では、入学してもすぐに違う大学へ行ってしまう学生が少なくない。そんな状況の中で学生達を引きとめておくには、やはり教育の充実と、特色を前面に出すやり方だ。学生達の声には非常に敏感なところがある。
日本の大学も、今は学生確保に躍起になるというよりは、いかに自分の大学の魅力を伝えていくか、また、入学してきた学生達に納得の行く教育を提供して行くかにかかっているような気がする。「Fランク」でも、卒業時には大企業の中核で働く人材を毎年輩出しているところもある。今後ますます大学の教育の中身が注目される時代になってきた。
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