『2010年6月』アーカイブ

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世界中から注目される坂村健氏(東京大学大学院教授)をお招きして第39回KIT虎ノ門サロンが開催されました。

坂村氏の提唱するトロン・プロジェクトやユビキタス・コンピューティングは様々な分野で導入が進んでおり、デジタル家電などの組込型コンピューターの基本ソフト(OS)としては、世界最大の市場占有率を誇っています。記憶に新しいところでは、小惑星探査機「はやぶさ」に搭載されいるOSもトロンです。将来的にはモノ同士がネットワークを結び、情報交換が行われるそうです。

今回は専門分野のお話だけでなく、『世界との差』や『日本の構造的問題』など、多岐にわたって熱く語って頂きました。

ビジネスアーキテクト専攻・2期では、水曜日の2コマ目(6限、20:30~22:00)に、「企業戦略特論1」を開講しています。

「企業戦略特論1」はビジネスアーキテクト専攻の目玉授業の1つ。経営コンサルティングの第一線で長年経験を積んでこられ、現在もコンサルティング会社のトップとして活躍中の3名―水越豊客員教授(ボストン・コンサルティング・グループ日本代表)と殿村真一客員教授(株式会社ヘッドストロング・ジャパン代表取締役社長)、冨山和彦客員教授(株式会社経営共創基盤代表取締役CEO ※予定)―が担当します。

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2回目の授業となる今日はボストン・コンサルティング・グループ日本代表の水越豊客員教授が担当します。来週の3回目とあわせ、競争戦略を考えるにあたってコンサルタントが実際にどういう頭の使い方をしているのかをテーマに講義します。

今週は競争戦略を考えるためのポイントとして、「フレームワーク」と「インサイト」の2つのテーマを扱いました。

最初は「フレームワーク」の話。経験曲線やスケールカーブ、PPMマトリクスなど数多くのフレームワークが戦略立案の現場でどのように使われているか、また、使うべきか、ということについて、実際のDRAM(半導体の一種)の事例を使って説明していきます。

ここでは詳細な説明は割愛しますが、累積生産量が増えることで習熟度が高まり一定の比率で生産コストが下がってくるさまをグラフ化した「経験曲線」や、研究開発費や広告宣伝費など、同じものを開発・生産・販売するのに規模が多いほど負担が少なくなる「スケールカーブ」。これらのフレームワークはコンサルティングの現場に携わったことがなくても知っておられる方も多いと思います。

では、それは戦略立案の現場で実際どのように役に立っているのでしょうか?

「フレームワークを使うことで、議論をする際に関係者の目線が一致する。結論が出てくる訳ではないが、前提を共有して議論ができる」

これが、長年経営・戦略コンサルティングに携わってきた水越先生の基本的な考えです。「フレームワークを見ても自動的に答えが出てくるわけでなない。世の中はそんなに単純じゃない」ということは授業中、何度も強調されていました。

その後もフレームワークを使うにあたって気をつけるべきポイント(可能な限り定量化するなど)を様々な実例、チャートを見せながら説明。コンサルティング会社の研修さながらです(しかも、講師はコンサルティング会社のトップ!)。

続けて、「インサイト」の話。フレームワークなどを使ったロジカルシンキングだけでは「理屈で考えたらこうなるはずなのに、何かおかしいな?」という限界に必ず突き当たるもの。そんな時に「どうしてこうなるのだろう?」を考えることの重要性とその方法・視点・目の付けどころについて話を進めて行きます。

例えば、先ほどの「スケールカーブ」も、そこにあてはまらない小企業の存在を「何かオカシイ」「気持ち悪い」と感じ、考えを進めることで、新たな定石である「V字カーブ」へと発展しました。

他にも「ホワイトスペース」を探す、「逆張り」をするなど...インサイト探しの様々なヒントを具体的な事例(ここでは書けないような話も...)とともに解説して頂きました。

あっという間の90分。来週は、競争戦略を実行する上でのポイントとしての組織論がテーマとのことです。

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定期的にK.I.T.虎ノ門大学院に通う院生の声やライフスタイルを紹介して参ります。
第1回目は、ビジネスアーキテクト専攻7期生の若木克仁さん(ハーレーダビッドソンジャパン勤務)です。

仕事と勉強の両立は可能なのか?会社や家族の理解は得られるのだろうか?このように、社会人大学院に通うまでには様々な疑問やハードルがあります。

若木さんも「働きながら学ぶのは、体力的にも時間的にも無理なのではないか」と入学前はとても不安だったようです。

そこで、1科目から受講できる科目等履修制度を活用することにより、「学校の雰囲気や、仕事との両立、一緒に学ぶ仲間の様子を見ることができた」と、当初の心配を払拭できたと言います。

また、働きながら学ぶ事のメリットについても、「講義内容が実践的で、すぐに仕事に活かすことができる」と、良い相乗効果が生まれているようです。

最後に強調されていたのが、「答えではなく、考え方が学べる」という点で、様々な先生方から知識や経験を吸収しようとする姿勢がとても印象的でした。

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6月11日(金)14:00~16:00虎ノ門キャンパス13階にて、「3D・デジタルシネマ」をテーマに、メディア・マネジメント特別セミナーが開催されました。講師は本学大学院教授、コンテンツ&テクノロジー融合研究所所長の北谷賢司教授と、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校コミュニケーション総合学部教授、エンタテイメント産業研究所長のDr. Robert Gustafson博士を迎えて、最新の欧米事情から、世界のメディア産業の動向等について話がありました。

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全国から20の大学チームが参加して、「NHK大学ロボットコンテスト2010」が開催されました。

決勝戦の組み合わせは昨年と同様、金沢工業大学 vs 豊橋技術科学大学となり、金沢工業大学チーム「創天ソウテン」が3年ぶり2回目の優勝を果たしました。詳細はこちら...

ツイッター上でも話題になっています。http://twitter.com/nhk_robocon
尚、熱戦の様子はNHK総合テレビで7月19日(祝)の13:05~より放送される予定です。

さらに、今年9月にエジプトで開かれる「ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト」に日本代表として出場する事となり、世界の強豪大学を相手に戦ってくる予定です。

知的創造システム専攻・1期では、火曜日の夜に、上條由紀子准教授による「技術標準化要論1」を開講しています。本授業は毎週火曜日夜に2コマ連続で開講され(5・6限、18:45~22:00)、本日が最終回です(第15・16回)。

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「技術標準化要論1」は、2009年度に新規開設した「国際標準化戦略プロフェショナルコース」の最も基本となる授業。全16コマの授業を通し、標準・標準化活動全般に関する基礎的な知識を習得することを目標とします。

上條准教授は2000年より太陽国際特許事務所の弁理士として標準化実務の第一線で活躍しながら、東京大学先端科学技術研究センターの特任研究員や慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構の専任講師を歴任。2009年の本コース開設とともに本学の准教授に就任しました。

15回目の授業となる1コマ目のテーマは「技術標準と知的財産権の関係」。

「標準を設定することで、技術を『共有』し、その便益を広く社会にもたらすもの(市場の拡散)」である「技術標準」。これに対し、「新たな知を生み出した者に対し、一定期間の独占権を付与して技術開発や市場開発の誘因を高める、という『専有』による便益をもたらすもの(私的財産の保護)」である「知的財産権」

両者ともイノベーションを促進し、産業の発展に寄与する点では共通していますが、「共有」と「専有」という一見相矛盾する性質を持っています。

この両者をどう調和させながら、特許権者が最適な収益をあげていくのか?実務においてはさまざまな試みがなされていますが、このコマではこの点について概観します。

内容の説明に入る前に、まず上條先生から受講生の皆さんに質問。「あなたが標準化できそうな特許技術を保有している場合、どういった戦略を取りますか?」。この問いに対し、受講生の皆さんが自身で考え、答え、そしてディスカッションに発展します。他の授業でもそうですが、本来受け身的に座学で進めがちな内容でも、常に考え、発言することが求められるのがK.I.T.虎ノ門大学院の授業の特徴。

こうやって受講生の皆さんが自分の考えをもった後に、内容の説明に入っていきます。

まずは、標準化組織(ANSIやISO/IEC、ITU、ETSIなど)の知的財産権政策について。過去、そして現在においても、まだ試行錯誤の段階ですが、その取組や課題について俯瞰します。

続いて、知的財産の標準化実務において、その価値を高めるために広く活用されている「パテントプール」の説明。

技術標準にはそれに関わる複数の特許権者(ライセンサー)が存在するため、当該技術標準を複数のライセンシーに広く拡散させる場合は、多くの交渉コストが発生し、結果として技術標準や個別の特許の価値を下げることになるという問題が起きます。

パテントプール制度は、この問題を解決する制度で、複数の特許権者がそれぞれの保有する特許などを一定の企業体や組織体に集中(プール)し一括管理することで、知的財差の効率的な活用を実現するものです。

...といったところで、あっという間に内容の濃い1コマ目(90分)が終了。標準化は実務の最前線でも試行錯誤が続く正解のない領域だけに、受動的に学習するだけでなく、自ら考えることも求められ大変ですが、大学院において標準化戦略人材育成を行う専門のコースは日本初であり、この授業から日本の標準化戦略の担い手が育つことを期待します。

昨年、㈱ベタープレイス・ジャパンの三村真宗氏をお招きして社会人公開講座を開催いたしました。その中で言及されていた『バッテリー交換ステーション』がKIT虎ノ門大学院の近くに完成し、EV(電気)タクシーが都内を走り始めています。
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通常、バッテリーをフル充電するには約8時間掛かりますが、バッテリーを交換することにより、わずか2分間という短時間で充電が完了します。

今後、国際標準規格(グローバル・スタンダード)を策定することで、全国にある"ガソリンスタンド""バッテリー交換ステーション"に変わるのも、そう遠い未来ではないでしょう。本校でも国際標準化のプロフェッショナルを育成して参ります。

経済産業省バックアップのもとで、電気自動車の普及が急ピッチで進められています。今回の取り組みが、世界的なテーマとなっているCO2ガス削減へ向け、大きな役割を果たすに違いありません。

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