『2013年7月』アーカイブ

あらゆる情報のデジタル化・ネットワーク化が進む中、著作権領域でも「電子出版」や「音楽配信」など新たなビジネスモデルが出現し、新たな課題が生まれています。これらの課題は、著作権法の改正やコンテンツ振興政策のあり方にも影響を与えており、いまも関係省庁で検討が進められています。

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本日ご紹介するのは「著作権法政策特論」、いくつかの重要な政策課題について取り上げ、法制および実務の面から解決策を探っていきます。

担当するのは2011年3月まで文化庁著作物流通推進室長として、著作権行政に従事してきた川瀬真 客員教授

川瀬先生は、著作権等管理事業法の制定、IPマルチキャスト、権利制限などに関する著作権法改正や、貸レコード、通信カラオケ、貸本、インターネットなどに関する契約問題の解決、さらにはダウンロード違法化、コンテンツの流通促進、権利制限の一般規定、私的録音録画問題、デジタル書籍に関する様々な政策課題を担当してこられました。まさに、著作権政策に関する第一人者です。

全8コマの講義で取り上げる主なトピックを以下にご紹介します。

●ネット社会とコンテンツの流通促進
●ネット社会と著作権の制限(権利制限の一般規定、日本版フェアユース規定の導入)
●ネットビジネスと既存ビジネス(パッケージビジネス等)の現状と課題
●ネット社会と違法流通対策
●電子出版の現状と課題(出版者への権利付与問題を含む)
●私的録音録画問題

なお、本科目は基本的に講義中心ですが、最終日にはこれまでの講義の総括としてプレゼンテーションと全体討議があります。

取材に伺った日のテーマは「電子出版の現状と課題」。まさに今、ホットなこのトピックについて、事業者側ではなく、政策立案者の立場からお話を聞けるのはとても貴重な機会だと感じました。

音楽産業のビジネスモデルを中心にメディア&エンタテインメント業界について集中的に学習する「M&Eマネジメント特論1」。

今回の講義のテーマは「音楽著作権」。日本最大の音楽著作権管理事業者であるJASRAC(日本音楽著作権協会)常任理事の北田暢也氏をゲストスピーカーとしてお迎えしました。

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楽曲や歌詞といった音楽著作権の利用許諾、そして利用料の徴収から分配、さらには著作権侵害対策などがトピックになります。皆さん何となくイメージはできるかもしれませんが、いったい実務的にはどのような対応をしているのでしょうか。また、現場では何が課題となっているのでしょうか。

取材した第3回目の講義では、CDやDVDからインターネットの音楽配信にシフトしていく中、違法な音楽配信などの著作権侵害にどう対応していくか、また音楽業界全体でどういった使用料の徴収・分配のシステムを構築・運用しているかといった点を中心にお話いただきました。

印象に残ったのが、インタラクティブ(インターネット)配信が増えたことで、曲目のデータ件数が急増しているという話。2011年には12億件の曲目データが報告され、ここ5年間で約5倍増とのこと。インターネットでは在庫や廃盤という概念が無いこと、さらに、従来であればCD化されないようなマイナーな曲の配信が増えていることが背景になっています。

その他、JASRACの著作権管理システムの概要や、一時期新聞でも取り上げられた“戦時加算”についての話もあり、日本だけがまだ特異な状態になっているということでした。

最近は音楽もダウンロードして個人の携帯電話や、iPodなどで楽しむスタイルが主流になってくる中、違法ダウンロードなどへの対策も年々強化されてきています。JASRACも違法音楽配信対策にも力を入れており、北田先生の講義の中には、これまで手掛けて来られた様々な著作権侵害に対する事例が紹介され、正に一つ一つハードルをクリアーしながら、著作物を守ってきた歴史を感じることが出来ました。

約100名の経験豊富なプロフェッショナルを講師陣に迎えているK.I.T.虎ノ門大学院ですが、テーマによっては、よりその分野に精通したゲストスピーカーを招いた講義も多数開講されています。

各業界のトップランナー達とつながる。これぞ社会人大学院の醍醐味といえるでしょう。

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