『2012年6月』アーカイブ

ビジネスアーキテクト専攻で1期に開講している「組織人事マネジメント要論」(1単位、全8コマ)。

講義を担当するのは鳥谷陽一客員教授。産業能率大学にて企業内教育を中心にした人事コンサルティングに従事されたのち、2001年から2010年まで、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)にて評価、報酬、組織開発など大型プロジェクトにコンサルタントとして従事してこられました。現在は同グループ内のヒューマンキャピタル部門を統括しておられます。 

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講義名からは「人事担当者向け」という印象をもたれるかもしれませんが、本講義の対象は、経営者やリーダーおよびその予備軍の方々。本専攻で学ぶ皆さんが対象となります。人事管理や労務管理の仕組みやシステムの詳細といった各論ではなく「報酬」「等級」「評価」「人材開発」など、人材マネジメントのコアとなる部分について、その基本概念を徹底的に学びます。

取材当日(最終日、7・8コマ目)の授業でも、経営者やリーダーが人材マネジメントの基礎や概要について学ぶ必要性について「人事部に勤めていなくても、経営者や管理職、リーダーならば人事の改革に携わることがある。その時に、経営の視点を持って、人事部やコンサルタントと接することができることが出来れば、単なるコストカットでない、人材の最大活用に繋がる」と力説しておられました。

授業の特徴は、先生からのレクチャーに加え、演習と発表の機会が多く設けられていること。受講生それぞれが現在・過去の経験を踏まえながら、課題に対する意見を発表し、議論を進めていきます。

この日の議論のテーマを例に挙げると…

「自社における評価制度と運用の現状」
「こんなときどう評価する?」(3人の異なる人材に順位をつける)
「自社にはどのような報酬制度の設計が有効か」

どれも唯一の答えがある話ではなく、また受講生のバックグラウンドも日系/外資系、事業部門/人事部門とバラバラですので、様々な意見や疑問が飛び交います。

なかでも最後の報酬制度については、金銭報酬(月例賃金や賞与、福利、退職金)のほか、非金銭報酬(仕事のやりがいや面白み、職場ルールの柔軟性)なども含めた議論がなされました。特に、非金銭報酬をインセンティブとして有効活用する意見が多く「近年、成果主義が浸透したものの、給与や賞与の上げ下げに疲れているのでは」と鳥谷先生はおっしゃっていましたが、こうしたことへの理解は、まさにリーダーにとって必須のことだと感じました。

2012年度、鳥谷先生の担当講義はこれで終了ですが、7月に「ビジネス“キャリア”思考」という公開講座を予定しています。これまでの自身のキャリアを見つめなおし、より良いキャリアビジョンを獲得していただく良い機会になると思います。毎回定員以上の申込みがある人気講座ですので、気になる方はお早めに!

知的創造システム専攻では、第1期に「工業所有権関連条約特論1」(2単位/全16コマ)を開講しています。

経済のグローバル化の進展に伴い、知的財産実務の現場では、日本だけでなく国際的な知的財産の知識が必須になっています。本講義では「世界的に通用し使える特許権を取得するためには、どうしたらいいか」を常に考えながら、国際的な法的フレームワークを俯瞰します。

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具体的には、主にパリ条約、TRIPS(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)、特許協力条約(PCT)、二国間協定などについて学び、現在の国際的な特許制度の抱える課題を明確にしていきます。

担当するのは鶴谷裕二客員教授。特許庁にて特許出願の審査・審判業務や、多国間交渉、二国間交渉、途上国における模倣品対策などの特許行政に携わったのち、現在は伊藤国際特許事務所の副所長として、特許実務の最前線でご活躍されています。

今回(5月30日)は最終回の授業でした。この日のゴールはこれまで14回の授業で学んできたことのポイントを再度取り上げ、知財制度の国際的枠組みを再度レビューすること。

約20名の受講者全員が、別の論点をランダムに割り振られ、時間内にそれぞれについて簡潔に説明するという方式です。理解したと思っていた内容でも説明するとなると意外に難しく、不明瞭な点が次々と明らかになりますが、そこは先生が適宜補足を加えながら、授業は進んでいきます。

いくつか、テーマを抜粋しますと、

「パリ条約 外国登録商標 6条の5」
「PCT 指定国と選択国の違い」
「TRIPS協定 特許の対象 27条」など。

それぞれのテーマについて、順番に発表が続き、回答に困った時には、受講者同士が助け船を出し合いながらの授業となりました。

こうして全体を一気に復習することで、各条約間の関係を含めた国際特許制度の大きな流れをつかむことができたのではないかと思います。

本講義を受けて、第3期には「工業所有権関連条約特論2」(2単位/全16コマ)が開講されます。今度は、特許協力条約における手続論の実務的学習・研究を行っていきます。

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