『2013年5月』アーカイブ

知的創造システム専攻では第1期に「知的財産政策特論」を開講しています。

実務家養成の社会人大学院で、なぜ政策の勉強を早い段階でするのか。それは、これから莫大な量の法律や実務知識を修得していくにあたって、実は早道だからです。

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公法と私法、行政と司法、国内制度と国際制度が複雑に絡み合う知的財産の分野。どのような政策的意図に基づき、なぜそのような制度設計になっているのか。さらに、これらの制度が期待された役割を果たしているか、そうでなければどこに問題があるのか。

プロフェッショナルとして活躍していくにあたっては、政策面についても「センス」を磨いていくことが大きな武器となっていきます。

担当するのは小林徹客員教授。1982年に通商産業省(現・経済産業省)に入省。1988年から1990年まで特許庁総務課でペーパーレス法やサービスマーク法の立案に参画。2001年から2004年まで司法制度改革推進本部事務局参事官として、いわゆるADR法の立案や弁理士等隣接法律専門職種制度改革を担当してこられた、まさに制度設計側として豊富な経験をお持ちの政策のプロフェッショナルです。

講義内容はこちら。前半はレクチャー中心に、後半はディベートや演習を交えながら進めていきます。

第1回 授業の概要説明/知的財産政策を巡るプレーヤーと政策実現のプロセス
第2回 知的財産制度の俯瞰
第3回 特許・実用新案制度を巡る現状と課題
第4回 意匠・商標制度等を巡る現状と課題
第5回 知的財産制度を巡る国際問題
第6回 ディベート
第7回 知的財産政策の歴史
第8回 演習―今後の知的財産政策は何を目指すべきか

小林先生の講義の特徴のひとつが、具体的事例に基づく分かりやすい説明。制度をめぐる現状と課題について、豊富で説得力のあるデータやグラフを示しながら進んでいきます。

これまで多くの講義を取材してきましたが、「あの制度はこういう背景があったのか」「あの論点はこういう状況の中で問題になっているんだ」…など、腑に落ちる瞬間、そして更に学びたいと思う瞬間が何度も訪れる講義でした。

新年度が始まって1ヶ月。ゴールデンウィークを挟んで、第1期の講義も中盤に差し掛かってきています。

今日ご紹介する講義は「マクロ・ミクロ経済要論」。科目名だけ聞くと、実践的というよりはアカデミックな内容を想像される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、本講義が第1期に配置されているのもワケがあります。

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「市場の外部性とCSR」「情報の非対称性(逆選好、エージェント問題)」「囚人のジレンマ」「資本コストと倒産リスク」「貿易と外国為替(金利裁定、購買力平価)」など、ビジネスを考える上で不可欠な経済学のトピックは多数あります。そこで、本科目ではトピックを厳選し、ビジネスパーソンとして必要となる“基礎”に絞って、短期集中で学習します。

講義を担当するのは山田英二教授。新日本製鉄やボストン・コンサルティング・グループ、企業再生ファンド等のビジネス経験を通して経済学に対する全般的かつ実践的理解を有する山田先生のリードのもと、現実社会の出来事と関係づけながら議論を進めていきます。

取材日のテーマは1コマ目が「ゲーム理論」で、2コマ目が「日本的経営」。それぞれに重いテーマを一週間の終わりの土曜日の夕方に2コマ連続ということで、なかなかハードな内容。しかし、グループワークでも、全体ディスカッションでも、受講生の皆さんが終始活発に、そして制限時間ギリギリまで議論をされていたのが印象的でした。

<マクロ・ミクロ経済要論 講義テーマの抜粋>
・今なぜビジネス経済学なのか?
・市場のメカニズムと問題点(需要と供給、価格、外部性、公共財)
・ビジネスというゲーム(囚人のジレンマ、ナッシュ均衡、協調)
・日本的経営とは何か?(日本の奇跡、三種の神器、日本企業の特徴)
・マクロ経済の仕組み(GDP、経済成長、景気循環)
・財政と金融(貨幣の機能、金融の機能、中央銀行、財政政策)
・グローバル経済と貿易(貿易、為替レート、国際分業、比較優位)
・世界経済の行方(講義まとめ)/行動経済学の紹介/ファイナルテスト

ご覧の通り、取り扱うテーマは幅広く、講義進行についていくのは大変ですが、院生の皆さんには山田先生の講義を通じてしっかりと基礎力を養い、第2期・3期の発展系科目へと進んで行って欲しいと思います。

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