2016.10

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小泉成史 (こいずみ せいし)
早稲田大学理工修士。1974年読売新聞入社。1984年マサチューセッツ工科大学ヴァヌ―バー・ブッシュ・フェロー。米国歴史博物館客員研究員。2002-06年テレビ朝日コメンテーター。03年より金沢工業大学客員教授。著書「おススメ博物館」(文春新書)など。

心理情報学科 渡邊 伸行 准教授 渡邊先生が心理学を志したきっかけは「誤解」にあったという。高校生の時に外部から見ていた学問と大学に入って内部から見た学問との違いに驚くという話は良くある話。そこをどう折り合いを付け乗り越えて行くかは個人個人で皆違うのだろう。渡邊先生はどうされたのだろうか?

――若い人がスマホで使う顔文字や絵文字、スタンプの効果も研究されているとか? 最先端ですね。

 「コミュニケーションの研究の一環として、学生がLINEやTwitterなどで使っている顔文字などの効果もテーマの一つに入れているのです。あくまで学生がそのような興味を持ってくれたら、やりましょうかという感じで進めています。

――あれは当人の顔でなくても、やはり顔の表情が送られてくると、受け取った人は何か感じるものがあるということなのですか?

 「もともとは文字だけだとやはり無機質なので。あとは感情が伝わらないとか誤解が起きるのを防ぐために生まれたのではないかと。最初は()や^ ^ を使って人の顔に見せる顔文字から始まって、黄色い丸い絵文字になって、さらにLINEのスタンプが生まれたという感じです。

 スタンプはキャラクターや芸能人がイラスト化されているので、それがウケたのかも知れません。

 またLINEというインタフェースだからこそ使えたのでしょう。メールであれをやると、容量がかかったりとか、受け手によっては文字化けのように、きちんと伝わらないということもあるでしょう」

――心理学者としてのご専門は、顔の動きから心の動きを探ろうみたいなことですか?

 「もう少しシンプルな話です。顔の動きに対して、人がそれをどう判断しているかと。例えば相手の口角が上がったとか、目が細くなった時に人がそこからどうやって感情を読み取るかという話ですね。

 例えば、普通に会話をしていて、相手が何か笑ったようだなと判断したとします。それが相手の顔のどのような動きに基づくものなのかと考えるのです。結構知覚レベルになるかもしれないのですが、僕自身そのようなことを研究してきたのです。

 あと、文脈というか背景ですね。同じ笑顔の顔写真でも、「3か月前に恋人を亡くしたばかり」という文脈を加えることで全く違って見えることもあります」

――なるほど

 「顔のどういう視覚的な手掛かりに基づいて、表情を判断しているのかというところと、あとは、それがいろいろな文脈に置かれた時に、それがどのように変容するかと言ったところを研究しながら、人が顔を見てから感情を判断するまでの認知メカニズムの研究をやってきました。博士論文のテーマもそのような研究です」

――工学的な応用もあるとか。

 「実際、最近のデジカメではスマイルシャッターと言って、撮られる人が微笑むと口角の動きで自動的にシャッタを切ってくれるとか。あと携帯のアプリで無表情の写真を読み込んで怒りや笑いの顔に変化させるとかありますね。その辺はもともと心理学の知識があって、それを工学的に応用した例です」

――そもそも先生が心理学をやろうと思ったきっかけは何だったのですか?