2013.08

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

小泉成史 (こいずみ せいし)
早稲田大学理工修士。1974年読売新聞入社。1984年マサチューセッツ工科大学ヴァヌ―バー・ブッシュ・フェロー。米国歴史博物館客員研究員。2002-06年テレビ朝日コメンテーター。03年より金沢工業大学客員教授。著書「おススメ博物館」(文春新書)など。

心理情報学科 の最近のブログ記事

心理情報学科 田中 吉史 准教授 田中先生はKITでは少数派の文系出身。小学生の頃は現代音楽を愛好するというちょっと変わった少年だったという。でも、ご自分の興味について関心を持ち続け、今でも「真の創造性とは何か?」という本質的な問題を追求している。

——先生が心理学に進まれたきっかけは何ですか?

 「私は都立大学(現・首都大学東京)の人文学部という文系出身です。最初の1年は学科に所属しないで、一般教養とかの授業を受けてから、いろいろ選んで2年目から決めるのです。哲学にしようか、心理学にしようかと迷って、結局心理学にしたのです。

 やはり哲学は考え抜いて終わりな感じでしょう。心理学はもうちょっと実験したり、データを取ったりして、証拠を取ってやるので」

——心理学は日本では文系ですが、国際的には立派な理系、科学ですからね。

 「そうですね。それが何かちょっと哲学よりは良いかなと。最後はそういう証拠があがるということで。もちろん、その前にも考えるプロセスというのがあります。心理学ではモデルを作ったりする部分もすごく大事なのです。それがないと実験も何も出来ないというのは後から痛感したのですけれども」

——先生は心理学の中で、どのような分野がご専門なのですか?

 「僕は認知心理学なのですけれども、主にどちらかというと記憶とか、思考とかを対象にしています。人間が考えるとはどういうことか、そういったことに興味があります。もともと哲学をやろうかと思っていた時もあったので、脳の仕組みとか神経とか、そういう話よりも、やはり考えるとか記憶するとか、学習するとかといったことに関心があるのです」

——さらに具体的にはどのような研究ですか?

 「ちょっと長くなるかもしれませんが、お話しましょう。もともと心理学をやる前は何か音楽をやりたいと思っていたのです。その時、音楽の趣味が友達と全然合わなくて、何でこんなに他の人と趣味が合わないのだろうと思い悩み始めたのです。

 それは多分、音楽の聴き方とか、人によって好みとかいろいろあるではないですか。そういう個人差があってでしょうけど」

——へえ。先生はどんな音楽が好きだったのですか?

 「クラシックですが、割と新しい時期のクラシックです。現代音楽とよばれている分野です。小学生ぐらいの時から聞いたりしていました。面白かったですし、心地よいというのもあったかな。やはり、すごくエキサイティングなところもあるし・・・」

「小学生から現代音楽を聴いてました」と語る田中先生——それはまた珍しい小学生ですね。そんな子供、初めて聞きました。ませた子がワーグナーのオペラを聞いたり、ビートルズに凝ったりするならまだ分かりますけど。

 「そうですね。親も困っていました。他の子と趣味が合わないので」

——どうせ伺っても分からないでしょうが、どんな作曲家の音楽がお好きだったのですか? 私が知っている現代音楽の作曲家は武満 徹ぐらいですが。

心理情報学科 伊丸岡 俊秀 准教授 KITの心理情報学科は全国でも珍しい「工業大学の心理系」だ。人間の心の動きを分析、総合して将来のものづくりへの応用を目指す。

 08年には最新鋭の機器を備えた「感動デザイン工学研究所」(神宮英夫教授のインタビュー参照、http://kitnetblog.kitnet.jp/koizumi/2009/01/post-5.html#more)も完成し、より高度な研究開発が可能となった。

 伊丸岡先生は金沢大文学部で心理学を学んだ後、大阪大学大学院で医学博士を取得した「文理融合」の申し子だ。専門は視覚認知という、モノの見え方と脳の関連を追及する学問。

――元々は文系だったのですか?

 「修士まで完全に文系の心理学です。修士の頃、脳機能計測がかなり一般的になってきて、私も計測を体験する機会がありました。

 ちょうど、その頃は心理実験だけではちょっと掴みきれないというか、本当に人間のことを調べられているのか自信がなくなっていた時期でした。やはり脳機能というとこからアプローチしなければ分からないと思って博士課程で脳機能計測をしたいと阪大に移ったのです。
 
――そもそも心理学をやろうと思ったきっかけは?

 「心理学でなければいけない、というきっかけはないです。大学は行動科学科で、もともと私はコンピュータに興味がありました。ただ、コンピュータ、そのものを研究するのではなく、それを使って人間を調べる、人間に働きかけたいという漠然としたものがあっただけです。

 なので、分野としては文系みたいなことをやりたいと思っていたのですが、高校生の頃、本当に大学で文系に行ってしまうと本を読むだけではないかと心配していました。

 たまたま目にした大学パンフレットで文系なのにコンピュータに向かっている写真が載っている学科があって、それが行動科学科だったのです」

コンピュータで人間を研究したかったという伊丸岡准教授 伊丸岡先生が学位を取った脳機能計測とは生きている脳の各部の生理学的な活性をさまざまな方法で測定し、画像化したりすること。脳の構造を画像化すすることはCTをはじめ、診断や研究のため古くから行われていたが、機能を画像化すする試みは80年代から盛んになってきた。

 測定する機器としては機能的MRI(核磁気共鳴)やポジトロン断層法(PET)、近赤外線分光法(NIRIS)などがあり、神経細胞の電気活動を可視化する方法として脳電図や脳磁図(MEG)がある。

――阪大での脳機能計測は何を使ったのですか?

感動デザイン工学研究所 所長 神宮 英夫教授 新しいモノ造りの方法が世界中で試みられている。しかし日本の場合、これまで成功してきた高度な技術を駆使した先端製品に頼りすぎてなかなか他の方法を見出せないでいる。従来型のモノ作りに頼るだけでは世界市場で勝負できないという現実がある。

 例えば携帯電話やパソコンなど。日本製は機能過剰になりすぎて外国では売れないという現象が起きている。孤立してしまい世界の進化とは別の途を行くという意味で「ガラパゴス化」と呼ばれている。

 一方、米アップル社のiPodのように、技術的にはそれほど画期的な製品でなくても新しいコンセプトやライフスタイルを提示し世界のベストセラーになった商品もある。

 こうした状況の中、金沢工業大学は2008年3月、感動デザイン工学研究所をオープンした。コンセプトは「心理学をものづくりにどう生かすか?」だという。

 真新しい研究所を訪ね神宮英夫所長に聞いた。

――感動デザイン工学とは初めて聞きました。

 「若い人たちと研究所を作る議論をしていて浮かんできました。最初は"感性"デザイン工学としたのですけれど,"感性"は結構使われていて新鮮味がない。そのころ企業コマーシャルで出始めていた"感動"に注目しました。今、製品に求められているのはいかに消費者の心を揺さぶる製品を生み出すかです。

 似たようなことは欧米の大学ではエンジニアリング・サイコロジーと呼ばれていろいろ試みられています。"ものづくり心理学"とでも訳せるでしょうか」

――先生はもともと心理学の出身ですか?

 「はい。人が時間をどうやって感じるかという時間知覚を研究していました。光は目、音は耳といった専用の器官が時間にはないのに人はなぜ時間がわかるのかということです。学芸大学という教員養成の大学で、技能学習、つまり上手にピアノを引くにはどうすれば良いのかなどを追及していました。時間知覚と体の動きとはうまくタイミングを取るという重要な問題だったのです」

――それと現在の研究の関連は?