世をあげて英語ブームだが、いくら勉強しても普段使う機会がなければ上達は難しい。英語上達の近道は唯一つ、使う必要性に迫られることだ。田森先生の経験がそれを立証している。
——「田森」さんというお名前は珍しいですね?
「私の出身は北海道なのですが、インターネットで調べたら先祖は秋田県の三種町から来たということが判りました。祖父の家の仏壇の裏から過去帳が出てきて、古い名前を検索してみたのです。その町は“田森”だらけなのです」
——普通のお名前なのに某タレントの出現で急に“有名”になってしまって。
「中学2年生の時です。お前、イグアナの真似してみろと急に級友に言われて。夜中のテレビは見てなかったので、何のことだがわけが判らなくて(笑)。それからは真面目な顔をしていても、からかわれて困りました」
——北海道から東北大工学部応用物理学科に進まれたのには、なにか理由があったのですか?
「入学試験に英語がなかったからです(笑)。私が受験した前後3、4年間だけ、理系の受験に英語がなかったのです。私は英語が全くできなくて10点とか20点とかそのくらい。高校では数学や物理が好きだったので、数学科か物理学科に行きたいなと思っていたら点数が足りなかったのです。それで工学部を受け、その中では応用物理が一番物理に近い内容だったのでそれを選んだ、というわけです」
——ではノーベル物理学賞の益川敏英先生には親近感を持たれますか。
「ものすごく。益川先生は僕にとってヒーローですね。彼は受賞講演を英語ではなく日本語でやりましたが、博士号を取得するためには、論文を英語で書かなくてはならないとか、やはり英語は必要になってくるので、それで嫌々やりました」
——今は英語が嫌いではないですよね?
「はい。いきなり就職した理化学研究所(理研)は日本にあるのですが公用語が英語なのです。外国人が多いので、事務の人も英語で話していて、ちょっとしたセミナーも英語でやらなくてはいけないのです。必要だからしょうがなくて。さらに米国に行くことになってますます英語をやらなくてはならなくて」
——東北大ではどんな研究を?
「統計力学という分野の物理をやっていた僕の先生の影響で、磁石の研究をしていました。
磁石の基になる原子は小さな磁石なのです。その原子が寄り集まって一つの大きな磁石になるのです。でも、よく考えると寄り集まるのは変なのです。というのは上がNで下がSになるように寄せるとNとNは反発するからひっくり返らなくてはなりません。でもひっくり返っていたらNとSが打ち消し合って磁石になりません。実際はかなりの数のNが上だから磁石になるのです。
裏の仕掛けみたいなものがあってなぜか全部揃うのです。その揃う仕掛けをちゃんと方程式をたてて、計算機で計算し、大きな全体として見た時に、どんな磁石になるか、どのような磁性体になるかを研究していました」
——理研ではすぐに国際フロンティア研究員になられて、かなりラッキーでした。
世をあげて英語ブームだが、いくら勉強しても普段使う機会がなければ上達は難しい。英語上達の近道は唯一つ、使う必要性に迫られることだ。田森先生の経験がそれを立証している。
——「田森」さんというお名前は珍しいですね?
「私の出身は北海道なのですが、インターネットで調べたら先祖は秋田県の三種町から来たということが判りました。祖父の家の仏壇の裏から過去帳が出てきて、古い名前を検索してみたのです。その町は“田森”だらけなのです」
——普通のお名前なのに某タレントの出現で急に“有名”になってしまって。
「中学2年生の時です。お前、イグアナの真似してみろと急に級友に言われて。夜中のテレビは見てなかったので、何のことだがわけが判らなくて(笑)。それからは真面目な顔をしていても、からかわれて困りました」
——北海道から東北大工学部応用物理学科に進まれたのには、なにか理由があったのですか?
「入学試験に英語がなかったからです(笑)。私が受験した前後3、4年間だけ、理系の受験に英語がなかったのです。私は英語が全くできなくて10点とか20点とかそのくらい。高校では数学や物理が好きだったので、数学科か物理学科に行きたいなと思っていたら点数が足りなかったのです。それで工学部を受け、その中では応用物理が一番物理に近い内容だったのでそれを選んだ、というわけです」
——ではノーベル物理学賞の益川敏英先生には親近感を持たれますか。
「ものすごく。益川先生は僕にとってヒーローですね。彼は受賞講演を英語ではなく日本語でやりましたが、博士号を取得するためには、論文を英語で書かなくてはならないとか、やはり英語は必要になってくるので、それで嫌々やりました」
——今は英語が嫌いではないですよね?
「はい。いきなり就職した理化学研究所(理研)は日本にあるのですが公用語が英語なのです。外国人が多いので、事務の人も英語で話していて、ちょっとしたセミナーも英語でやらなくてはいけないのです。必要だからしょうがなくて。さらに米国に行くことになってますます英語をやらなくてはならなくて」
——東北大ではどんな研究を?
「統計力学という分野の物理をやっていた僕の先生の影響で、磁石の研究をしていました。
磁石の基になる原子は小さな磁石なのです。その原子が寄り集まって一つの大きな磁石になるのです。でも、よく考えると寄り集まるのは変なのです。というのは上がNで下がSになるように寄せるとNとNは反発するからひっくり返らなくてはなりません。でもひっくり返っていたらNとSが打ち消し合って磁石になりません。実際はかなりの数のNが上だから磁石になるのです。
裏の仕掛けみたいなものがあってなぜか全部揃うのです。その揃う仕掛けをちゃんと方程式をたてて、計算機で計算し、大きな全体として見た時に、どんな磁石になるか、どのような磁性体になるかを研究していました」
——理研ではすぐに国際フロンティア研究員になられて、かなりラッキーでした。