『2006年12月』アーカイブ

本日が最後の業務となるが、今年も一年間有難うございました。色々な意味で、あっという間に過ぎた感じはありますが、授業も含め密度の濃い一年間だったと思います。

院生の皆様にとっても、あっという間の前期・後期の授業だったのではないでしょうか。今日はまだ数名の院生さんがキャンパスで勉強をしておりますが、前回もお話したとおり、勉強をしている皆さんにとっては、あまり休みなどは関係ないのかもしれません。

今日が今年最後となりますが、今まで毎日稼動していたコピー機やパソコンなども、これから数日間はちょっとお休みとなります。

さて、今年最後のお知らせですが、年明けの1月9日(火)から1月22日(月)までが、第3期の願書受付期間となっております。また、新年の業務開始は1月9日(火)から通常通り開始いたしますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

それでは、皆様どうぞ良いお年をお迎えください。
2007年も、金沢工業大学大学院 知的創造システム専攻を何卒宜しくお願い申し上げます!

今日はあいにくの天候となってしまったが、夜になってもまだまだ冷たい雨が降り続いている。そんな中でもこの虎ノ門キャンパスには今日も多くの院生が教員との面談や、最後の課題提出のため訪れている。
一年間と言う、言い換えればかなり凝縮した密度の濃い時間でもあり、やはり院生にとっては休みなどはあまり関係ないのかもしれない。

昨日は後期ポートフォリオの提出日となっており、分厚い個人のポートフォリオを続々と提出していかれた。最終版は年明け1月末となるが、皆さん本当に最後の追い込みといった感じだ。

最近は怖いウイルスなどが蔓延したりしていて、体調に気をつけていても知らないうちにかかっていたりすることもあり、怖い状況ではあるが、またこの時期寝不足気味となりやすいかもしれないが、体調管理には十分気をつけて、残りの数ヶ月を乗り切っていただきたい。

下記の日程にて「東京・虎ノ門キャンパス キャリアアップセミナー2007」を開催いたします!

知財・ビジネス・ITの分野で求められるスキルを、働きながら効果的に手に入れる方法とは? 
その答えは、社会人として働きながら1年で修士が取得できる「知的創造システム専攻」にあります。まずは本専攻が開催する「東京・虎ノ門キャンパスキャリアアップセミナー2007」へご参加を(無料)、プロの道はここから開きます。

日   程:1月23日(火)、24日(水)、25日(木)、27日(土)
時   間:23日~25日(19:00~21:00) 27日(13:00~15:00)
場   所:東京・虎ノ門キャンパス 12階
参   加:無料(各会定員70名)

プログラム:知的創造システム専攻について (約15分)
       キャリアアップセミナー特別講義 (約60分)
       座談会及びキャリアアップ相談会 (約45分)
       プログラム終了

特別講義テーマ:
1月23日(火) 「経済産業省「知財スキル標準」プロジェクトと知財キャリアの今後について」
         講師:杉光一成
1月24日(水) 「企業経営に求められるマネジメント人材とは」
         講師:冨山和彦
1月25日(木) 「米国イリノイ大学大学院におけるIT教育 - 理論と実践 -」
         講師:中野 淳
1月27日(土) 「競争力強化にむけたIT経営に必要な人材とは」
         講師:上村考樹

大学院での学びにご興味のある方は是非ご参加ください。皆様のお越しをお待ちしております!
東京虎ノ門キャンパス キャリアアップセミナー2007へのエントリーはこちらから!

幾度かご紹介してきたこのPortfolio Intelligenceだが、知的創造システム専攻開校当初から独特な教育手法として取り入れ、今で3年目を迎えている。毎年この時期になると、前期と後期の授業の総まとめとなる目標達成シートを提出し、またそれらの裏づけ資料となる各授業で提出したレポートなどをファイリングし、かなり分厚いポートフォリオファイルが出てくる。

最近このポートフォリオ教育にも取り入れているExperiencial Learning Theory(経験的(体験的)学習理論)について、少し文献を読んだりしていて、大人になるにつれ、自分自身の性格や個性が確立されてくるわけだが、それと同時に、学習スタイルも大人になるにつれ確立されてくる。その中には、計画性があまりなくても体で覚えるといったタイプや、スタート前から綿密な計画や調査を行い実施するタイプもいるわけで、これは教育の中においても非常に重要な情報となるわけだが、例えばこの学習スタイルには得意とする分野や、不得意とされる分野などもあり、これはプロジェクトなど組んだり、それらを実行することを得意とする方や、又はそれらに対しての調査・研究を得意とする方もいるわけで、これはそれぞれの方が持つ学習スタイルに密接な関係がある。

この知的創造システム専攻のポートフォリオ学習では、上記で記したような内容にも密接な関係を持ち、かなり奥の深い教育手法として、現在もまだ改良を加えながらこのポートフォリオ教育を実践している。
出来ることならば、是非多くの教育機関で実施し、個人個人の持つ価値やコンピテンシーを高めていっていただきたい。

来月1月には完成版ポートフォリオの提出となるわけだが、現在院生の皆さんは遅くまで指導教員の先生方との面談のなか、個人のポートフォリオ作成に取り組んでいる。

ソフトウェア特許特論の授業では、いわゆるビジネスモデル特許(ビジネス方法特許やビジネス関連特許などとも言われる)についても講義を行っている。

わが国では1999年ごろからビジネスモデル特許ブームの風が吹き始め、「ビジネスモデル特許という新しい特許ができた」「何でも特許の時代がやってきた」などと誤った情報を流して煽るマスコミも現れた。そして、2000年にはこのブームが大ブレークし、ビジネス関連発明について約2万件の出願がなされた。

その後、特許庁の審査体制の整備等により、何でも特許になるわけではないという当たり前のことが周知され、2004年にはこの分野の出願も9千件弱とブーム時の半分以下に激減し、ブームは去ったと思われていた。

ところが、審査請求件数を見ると、2000年の約4千件に対して、2004年は約8千件と、2倍近くなっている。これは、審査請求期間の短縮化による審査請求の集中が主因と考えられるが、それにしてもブーム時の2倍もの出願が審査請求されているのは興味深い。この分野の発明が特許される割合は他分野に比べて低いようであるが、それでも特許になる件数は以前より増えるものと思われる。今後はわが国においても権利行使という形で、昨年のJAL特許事件のように、ビジネスモデル特許がまた話題になることも増えるであろう。

参考文献:特許庁ホームページ「ビジネス関連発明の最近の動向について」
(URL: http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_tokkyo/bijinesu/biz_pat.htm


科目:ソフトウェア特許特論
担当:加藤浩一郎

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平成18年度後学期も今週ですべての講義が最終回となります。
知的財産管理・戦略特論もその一つです。

最終日は、全担当教員が集結し、集大成の意もこめて、自由に質問をするフリーディスカッションが行われた。これだけのメンバーが一堂に会すると、受講生に対する話の内容も深みを増し、非常に実りのあるディスカッションであり、意義深い一時になったと確信している。

教員も久しぶりの再会を楽しみつつ、実に濃い90分となった。

ここでは詳細を紹介できないのが残念だが、普段聞けないことも気さくに議論し合え、教員が受講生に伝える一つ一つの言葉は、実に心に響くものだと再認識できた。以前のBlogで酒井教授が言われていることを実感せざるを得ない。

→ 「いくさ人いかに戦うか」参照

教員の専門知識と実践経験の豊かさはもちろん、個性や人柄の良さに更に惹きつけられた受講生も多いのではないだろうか。

日頃はなかなか得ることのできない今回のような機会も、知的創造システム専攻で共に学ぶ醍醐味の一つである。


【担当教員一覧】
酒井宏明 教授・専攻主任
井桁貞一 客員教授
江崎正啓 客員教授
田端泰広 客員教授
山田和見 客員教授

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今月、第11回目には、(社)日本フィランソロピー協会 高橋陽子氏に来学していただきました。サロンのテーマは、「CSR(企業の社会責任)経営が会社と社員を元気にする」と題し、ご自身がこれまで携われた各企業でのCSRについて講演していただきました。

クリスマスプレゼントとまではいきませんでしたが、知的創造システム専攻への資料請求や説明会などのイベントへ参加された方へもサロンの御案内をさせていただき、若干名ではありましたが修了生・在学生と一緒にご参加いただきました。

詳細は、
①:日本フィランソロピー協会の活動紹介
②:行政依存型社会から市民自立型社会への変化
③:今、なぜCSR経営なのか?
④:CSR経営における社会貢献の位置付けと役割
⑤:CSR経営は、Citizen Social Responsibilityへ

多方面でご活躍の高橋氏からは、いろんな企業でのCSRケースなどを紹介頂き、社会貢献、環境・本業、ガバナンス・企業倫理、経営理念・コンプライアンス、などの分野にてどのように「ステークホルダー」とのコミュニケーションをしながら行動を起こしていけるかというものを実感できたのではないでしょうか。

また、「社会貢献は企業を元気にする漢方薬である」との事。風通しのいい企業風土の醸成、チームワーク力の醸成、人間としての共感づくり、社外ネットワークでビジネスチャンス、社員の誇りが会社の元気・地域の発展などにつながる事があると高橋氏は語る。

今後の高橋氏の活躍にも期待できるが、参加された方にも既に何かに取り組んでいる人も居たのだが、あらためて私たち個人も何か始めるよいきっかけになったのではないだろうか。

(財)日本フィランソロピー協会

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KIT虎ノ門サロンとは、在学生・修了生の皆様の自己実現を支援するため、社会でご活躍の方々よりそれぞれの独創性に満ちた思考や価値像などについてご講演していただき、皆様の今後の活動に何か少しでもお役に立つ機会になればと思っております。昨年度講演していただいた方々は、

第1回:株式会社メディアファクトリー 代表取締役 芳原 世幸氏
第2回:フューチャー・パイレーツ株式会社 高城 剛氏
第3回:三井住友海上火災保険株式会社 常任特別顧問 野崎 賛平氏
第4回:株式会社 コミックス・ウエーブ 代表取締役 竹内 宏彰氏
第5回:ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(株)代表取締役社長、土岐 大介氏
第6回:(株)ポニーキャニオンの洋楽部部長、高橋 裕二氏
第7回:株式会社 アタマトテインターナショナル 代表 榎本 了壱氏
第8回:北海道科学技術コミュニケーション養成ユニット特任助教授、石村源生 氏
第9回:科学ジャーナリスト、小泉成史氏
第10回:東洋経済新聞社Think!編集長、藤家美奈子氏

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模擬講義最後のテーマは「中国における知的財産を巡る最近の話題」と題しまして、中国弁理士の本専攻客員教授でもある張先生にご講義をいただいた。本専攻では、「中国・アジア特許特論」をご担当いただいているが、本日も中国に関する色々な知的財産を巡る問題やまた歴史的背景も踏まえお話をいただいた。

中国の知的財産保護の現状と言うところで、80年代は商標登録件数が約2万件だったのが、現在では66万件以上にもなったと言う話もあり、中国の目まぐるしい経済の発展の一部を垣間見たような気がした。また、中国の「特許法」(専利法)はまだ歴史が浅く85年から施行され現在に至っているとの事で、2008年には、再度特許法が改定され、その内容の一部についても説明があった。
まさに現在の中国における知的財産戦略の一部が、この講義を通じて感じ取られたのではないだろうか。

今回の模擬講義を通じて、多くの方々にお越しいただき、大学院での講義はいったいどのようなものなのか、またここでの授業が自分自身にどのように繋がるのかなど、少しでもこんごの自分のキャリアを考える場になっていただけたらと思った。

中国での知的財産を巡る話題は、まだまだ尽きることはなさそうだ。

科目リンク:中国・アジア特許特論
教員リンク:張立岩 客員教授

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12月9日、前半部分の模擬講義は「M&Aや事業再構築における組織再編の実務」と題して、本専攻客員教授の大信田先生にご講義いただいた。大信田先生は、KPMG FAS代表取締役パートナーでもあり、企業財務においては経験豊富な方でもあるが、今回はその中で、最近良く聞くM&Aなどの企業買収及び再編といった切り口で、組織再編の主な手法などをご説明いただいた。

買収や合併などニュースで聞くものから、会社分割や株式交換(株式移転)など、組織の再編をかけての方法として、色々とこれまでの先生の経験や事例などを踏まえながらのお話は、聞いていて納得させられるものだった。

今回の講義では、自社の組織再編といっても、内部的な仕組みの評価や人事的な問題の解決方法を学ぶといったことよりも、もっと大きな視点から、例えば自社がもつ一部門を分割して新会社を設立し、利益を高めるといったことや、または、合併などにより2つ以上の会社が共同で新会社を設立したり、あるいは吸収したりしながら、自社を成長させていくといった話があった。

まだまだ他にも色々な取り組みや買収などの防止法などの話があり、45分ではなかなか全てを細かくお話いただくことは難しいところではあったが、きていただいた方々からは、非常にためになったという言葉もあり、講義が終了した後も、名刺交換など行い、非常に有意義な模擬講義であったと思う。

科目リンク:企業財務特論
教員リンク:大信田博之 客員教授

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12月7日後半部分に行われた模擬講義は「電機企業の知財戦略」と題して、知的創造システム専攻客員教授の井桁先生による講義が行われた。以前、富士通の特許部長をされていたこともあり、長年にわたる電機企業の知財戦略を携わってこられた経験から、非常に具体的でしかも、説得力のある講義であった。

内容は富士通での知財戦略の話が多かったが、いかに使える特許を生み出すか、またそれらをどのようにして評価し、また活用して企業の利益を生み出していくのかを分かりやすくご説明いただいた。その中で、ちょっと面白かったのが、アメリカなど外国の特許を取るときには、海外の弁理士などに頼んで明細書など作成することがあるそうだが、海外の弁理士などは、明細書を書くときには、誰を訴えるのか、また相手は何を作ろうとしているかなどを考えながら明細書を書くといった話があり、ただ、発明者の思いや考えを書面にするのではなく、その環境にも目を向けた、いわゆる全てに対抗できる明細書を作成するといったところは、聞いていて非常に面白かった。

また、特許の活用というところでは、他者が実施可能なものを特許とし、それらをライセンシングして利益を生むことや、またクロスライセンスすることも非常に重要だとの話があった。

知財戦略は本当に幅が広く、また奥の深い仕事だと言うことを痛感した講義でした。


科目リンク:知的財産管理・戦略特論
教員リンク:井桁貞一

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12月7日の前半部分、模擬講義は本専攻客員助教授の田中先生による「ネットワークでつながる機器やサービスの最前線」というテーマのもと講義が行われた。田中先生は知的創造システム専攻の科目の中で「ユビキタスネットワーク特論」をご担当いただいているが、本日の講義もそのユビキタスネットワークをいかに使って、今後の新しい商品やまた我々の生活が変わってくるかなどのお話をいただいた。

先生の話の中には、冷蔵庫にインターネットがくっついたり、またインターネットの使える環境の中で、一般家庭にあるようなビデオデッキや様々なコンテンツが、どこにいてもいつでも見られるような環境も今後起こりえるだろうということだったし、既に携帯端末を使ってのいろいろなサービスや、我々の生活がそれらの機器類によってだいぶ変わってきているのも事実だと思った。

しかし、その中での課題としては、規格の統一や、「ユビキタス環境では、個人が複数のネットワーク端末を使うため、それらがシームレスに連携する必要がある」というお話があった。確かに色々な異業種間でバラバラな規格のものを作っても、消費者からはなかなか使いにくい面もあり、確かにこれは難題であると感じた。

しかし、これからもますます変化してくるだろうこのユビキタス環境の中で、第4世代携帯電話など、私はちょっと予想が出来ない未来があっという間に来るような、この講義を聞いているとそんな気がしてならなかった。

科目リンク:ユビキタスコンピューティング特論
教員リンク:田中祐介客員助教授

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12月6日(水曜日)20時~20時50までは、鮫島正洋客員教授による「知的財産と経営競争力の因果関係について」を開催しました。
本専攻において、「特許ライセンスマネジメント特論」を担当されていて、弁護士業の傍ら、知財サービスや知財マネジメント、知財政策のあり方など多くの方面に携われている。

模擬講義では、我が国の国際競争力の向上としての流れにおいて、知財経営の導入や実践がキーポイントであることや、その知財経営(知的財産資本経営)の仕組みを分かりやすく説明していただいた。 さらに、知財経営においての「特許ポートフォリオ」の重要性などを、海外と日本の企業のケースを用いての論説は分かりやすかったのではないでしょうか。 
マーケットシェアの確保と技術法務に関しては、日亜科学工業のケースがでたり、パテントプールによるデファクト化と技術法務では太陽誘電のケースを用いていた。

45分間と限られた時間での模擬講義ではありましたが、参加者からは参加してためになったことや、勉強になったことなど、絶賛のお言葉をいただきました。

是非入学された際には、キヤノン株式会社・顧問 丸島客員教授や株式会社トムソン技術研究所・特許部長 木越力客員教授も加わった、「特許ライセンスマネジメント特論」を受講してください!

科目リンク:特許ライセンスマネジメント
教員リンク:鮫島正洋

 small taiyounou.jpg都留プロデューサー

 

「デジタルコンテンツマネジメント特論」は毎週金曜日の6限(20時30分~22時)に行われている。講師はタイトルにも掲げた本年(2006年)アカデミー賞を総なめ(13部門受賞)した「Always三丁目の夕日」の山崎監督を始め、TBSの連続ドラマの「タイヨウのうた」の都留プロデューサー、佐々木プロデューサー、ポケモンプロデューサーとして著名な小学館の久保氏、ソニーミュージックエンタテインメントの契約本部長の高嶋氏、ジャパンデジタルコンテンツ信託の土井社長などいわゆるコンテンツ業界の著名人が目白押しだ。

正直に言って金曜日のこの時間に毎週講義があると「飲みにケーション」的には非常に差し障りがあるのだが(笑)、それを切り捨てても上回る内容を誇っているといえるだろう。

この科目は今年初めての開講科目である。この科目を開講したのには理由がある。というのは、「知的財産」と言ってもそれを扱う企業は、非常に大雑把に言えば、技術を中心とするハード系(特許系)の企業とコンテンツを中心とするソフト系(著作権系)の企業に大別される。本学の開講当初は「工業大学」という名前もあっていわゆるハード系企業の入学者が中心であった。しかし、その後、コンテンツを扱う企業(レコード会社やテレビ局)の方の入学が少しづつ増えたため、コンテンツを扱う企業側のニーズにも応える必要がでてきたのだ。

この講義では、多彩なゲストを招く一方で一つの重要な視点を最初に提供していた。それは、様々なコンテンツ業界における、共通点は何か、逆に相違点は何かを見極めた上で、あるコンテンツ業界(ゲーム業界)の一つの成功事例を抽象化してモデル化し、それを別のコンテンツ業界に応用できるかどうか、あるいはコンテンツ業界以外の業界にまで更に広げて応用できるかどうか等について検証する、という視点である。

実際、映画業界(具体的にはハリウッド)における映画の利益を最大化するためのウィンドウ戦略(例:劇場公開→パッケージ商品→有料放送→無料放送と時期・段階を追って「窓」を変えて収益を上げる戦略)は、同じ映像業界であるテレビ業界においても応用され、現在はテレビドラマのDVDの売上というのが相当な規模になってきている。

大学院の講義であるから、当然のことながら単に様々な講師の話を聞いて「面白かった」だけでは困る。講師陣の話の中から一般的法則・抽象化され応用しうる法則の発見というのが重要な視点となると考えており、この科目の最後にはそのようなレポートを出してもらう予定だ。

デジタルコンテンツマネジメント特論
教授 杉光一成

12月6日(水曜日)19時~20時までは、相川充(あいかわ あつし)客員教授による「リーダーシップを磨け!人間力養成実践講義」を開催しました。

相川客員教授は博士(心理学)ですが、「皆さんの考える”心理学”は、昨日どんなユメをみたから、あなたはこうなんです、それに否定しても、”あなたはまだ気づいていないだけです”ではなく、私の心理学はほぼ統計学ですよ」と緊張を和らげる場面も。

「リーダーシップ論の変遷」としては、
1、特性アプローチ
2、行動アプローチ
3、状況アプローチ
4、相互影響アプローチ
5、変革型リーダーシップ論
6、自己変革リーダーシップ論

があることや、特性アプローチ:優れたリーダーには、ほかの人にはない何か優れた特性があり、その特性を多く有している者がリーダーとしてふさわしいのだが、それにも限界があり、人を単純に、”リーダーになれる人”と”リーダーになれない人”に分けてしまうとの事。

そして、時代が求めるリーダーシップ論として、「誰もがリーダーシップを発揮しなければならない時代」であると論述し、講義のコンクルージョンとなった。 限られた時間での模擬講義でしたが、より明確な講義のイメージをつかんでいただけたと思います。

知的創造システム専攻の教育において不可分の関係にある”知識領域”と”思考プロセス”のアプリケーション、そしてOSの”ヒューマンパワー”相川客員教授リーダーシップ特論では、このOS部分であるヒューマンパワー(独自のリーダーシップ論の構築と、それを実行できるリーダーシップ・スキルの獲得)を発展できる講義でもある。


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出版されている主な著書には「人づきあいの極意」があります。

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本日は、今年度初の公開模擬講義を開催いたしました。 大勢の方にお越し頂き、ありがとうございました。

コンテンツファイナンス入門では、土井客員教授に担当していただき、かなりボリュームのある資料を使い、少々専門的な用語を活用した講義となりました。この分野にはじめての方々には少々難しかったかも知れません。

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山口客員教授には、「競争優位性実現のためのブランド・マーケティング」のタイトルにて講義を担当していただきました。先生の経験により、従来のマーケティング4Psにもう一つのPである、"People"を追加して4つのPをコントロールするコンセプトなどお話いただきた。 

明日は、リーダーシップを磨け!人間力養成実践講義、と知的資産経営と技術法務の潮流が開催されます!

『多様な領域で活躍するゲストスピーカーを招いて、自ら取り組んでいる戦略的課題に関して論じて頂く。現実の混沌とした世界において、どのような戦略分析策定フレームワーク、改革推進フレームワークを用いて、どのように状況分析や問題解決を図り、組織のターンアラウンドや持続的競争優位性を実践的に学ぶ。』  講義科目:企業戦略特論

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今回の企業戦略特論では、(株)アッカ・ネットワークス 代表取締役副社長 副社長執行役員 湯崎英彦氏に来学していただいた。

2005年3月にJASDAQ上場したこともあり、創業から上場までの企業戦略をレクチャーしてもらった。ビジネスプラン作成から、コア仲間探しをして会社設立、提携・出資交渉、リクルート、サービス開始までを創業ストリーとしてお話いただいた。

「ベンチャー戦略」というテーマのうえ、ベンチャーに重要な要素をいくつか論説していただいたなかで、「ベンチャーのリソースとして、一番重要なのは人であるが、一番難しい」と講義を締めくくった。

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