『 ビジネスモデル特許ブームの密かな復活 』

ソフトウェア特許特論の授業では、いわゆるビジネスモデル特許(ビジネス方法特許やビジネス関連特許などとも言われる)についても講義を行っている。

わが国では1999年ごろからビジネスモデル特許ブームの風が吹き始め、「ビジネスモデル特許という新しい特許ができた」「何でも特許の時代がやってきた」などと誤った情報を流して煽るマスコミも現れた。そして、2000年にはこのブームが大ブレークし、ビジネス関連発明について約2万件の出願がなされた。

その後、特許庁の審査体制の整備等により、何でも特許になるわけではないという当たり前のことが周知され、2004年にはこの分野の出願も9千件弱とブーム時の半分以下に激減し、ブームは去ったと思われていた。

ところが、審査請求件数を見ると、2000年の約4千件に対して、2004年は約8千件と、2倍近くなっている。これは、審査請求期間の短縮化による審査請求の集中が主因と考えられるが、それにしてもブーム時の2倍もの出願が審査請求されているのは興味深い。この分野の発明が特許される割合は他分野に比べて低いようであるが、それでも特許になる件数は以前より増えるものと思われる。今後はわが国においても権利行使という形で、昨年のJAL特許事件のように、ビジネスモデル特許がまた話題になることも増えるであろう。

参考文献:特許庁ホームページ「ビジネス関連発明の最近の動向について」
(URL: http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_tokkyo/bijinesu/biz_pat.htm


科目:ソフトウェア特許特論
担当:加藤浩一郎

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