12月7日後半部分に行われた模擬講義は「電機企業の知財戦略」と題して、知的創造システム専攻客員教授の井桁先生による講義が行われた。以前、富士通の特許部長をされていたこともあり、長年にわたる電機企業の知財戦略を携わってこられた経験から、非常に具体的でしかも、説得力のある講義であった。
内容は富士通での知財戦略の話が多かったが、いかに使える特許を生み出すか、またそれらをどのようにして評価し、また活用して企業の利益を生み出していくのかを分かりやすくご説明いただいた。その中で、ちょっと面白かったのが、アメリカなど外国の特許を取るときには、海外の弁理士などに頼んで明細書など作成することがあるそうだが、海外の弁理士などは、明細書を書くときには、誰を訴えるのか、また相手は何を作ろうとしているかなどを考えながら明細書を書くといった話があり、ただ、発明者の思いや考えを書面にするのではなく、その環境にも目を向けた、いわゆる全てに対抗できる明細書を作成するといったところは、聞いていて非常に面白かった。
また、特許の活用というところでは、他者が実施可能なものを特許とし、それらをライセンシングして利益を生むことや、またクロスライセンスすることも非常に重要だとの話があった。
知財戦略は本当に幅が広く、また奥の深い仕事だと言うことを痛感した講義でした。
科目リンク:知的財産管理・戦略特論
教員リンク:井桁貞一
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