知的創造システム専攻の公聴会が2月15日(金)~19日(火)4日間の日程で行われました。今回も3名の発表をレポートしたいと思います。どれも1年以上の時間をかけて担当教員そしてゼミの仲間たちと一緒になって作り上げてきたプレゼンです。各発表前は心地良い緊張感がひしひしと伝わってきました。
まず初めに、露木美幸さん。大学教員として活躍する傍ら、様々な学会やメディアでもご自身の研究を発表されておられます。「技術志向型企業のグローバル知財リスクマネジメント」についてプレゼンを行いました。日本・米国・欧州(ドイツ)の特許出願・特許権侵害の動向を細かく分析しながら、リスクマネジメントの考え方が、各企業の知財戦略に有効に働くことを示しました。
続いて、神田裕之さんです。30年近く北米の通信端末会社のエンジニアとしてご活躍され、技術部門をマネジメントする力や知識を得たいとの思いから本学への入学を決意しました。研究テーマは「携帯電話端末関連企業の事業展開における知的財産戦略の研究」です。アップル社iPhoneに対するグーグル社Androidのオープン戦略について、各企業の目的・戦略が相違している中、弱点をどのように克服し、事業を継続していくかについて考察を行いました。
最後にご紹介するのがジョン・チョルファンさん。韓国の弁理士として活躍しながら、1年半前から日本に留学しています。発表のテーマは「自動車産業における製品アーキテクチャの変化と戦略―次世代自動車を中心にして―」です。技術のパラダイム変化に適応して競争力を高めるために、自動車産業が立てている次世代自動車戦略について、燃料電池車(垂直統合モデル)と電気自動車(水平分業モデル)を比較しながら、様々な仮説を検証し、その未来を予測しました。
公聴会には同期生はもちろん、多くの修了生や在学生も出席し、仲間のプレゼンに熱い眼差しを向けていました。終了後は、皆さん大きなプレッシャーから解放され、担当教員も交えて“打ち上げ”に向かったのは言うまでもありません。皆さまお疲れ様でした。今後、本大学院で学んだ知識や人脈を活かして、さらに活躍されることを期待しています。
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