【授業レポート】メディア&エンタテインメント実務演習(野副正行/北谷賢司)

世界的に通用するメディア/エンタテインメントビジネスのプロの育成を目指す「メディア&エンタテインメントマネジメントコース」。2012年度新設の本コースもいよいよ1年の最後、4期を迎えています。

今回、レポートする「メディア&エンタテインメント実務演習」は、総まとめの講義。各科目で学んできた知識を復習し、ビジネスの実践で活かせる形で統合します。

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本科目を担当するのは、㈱出版デジタル機構の代表取締役社長、K.I.T.虎ノ門大学院客員教授の野副正行先生です。米国ソニーでの長年の実務経験、ソニーピクチャーズ共同社長としてのハリウッド映画ビジネスの経験、そして近年の外資系企業での経営者としての経験。本コースの最後のまとめにふさわしい、超一流のプロフェッショナルであり経営者です。

取材日のテーマは「ハリウッドの映画ビジネスの構造」。

制作費は年々高騰し、一本当たりの予算規模が一億ドルを超えることも珍しくないハリウッド映画。どの映画がどの程度ヒットするかを完璧に予測することが難しい中、どのように収益を最大化しつつ、リスクを抑えていくか。その構造や考え方についてお話しいただきました。

米国国内での配給収入が1であっても、海外での配給、米国内外でのビデオ販売、有料テレビ放映、無料テレビ放映、マーチャンダイジングなどを組み合わせるとトータルで10の収益をあげていく。そんなハリウッドの映画ビジネスならではの戦略は興味深かったです。

そして、「8勝7敗では勝てない中、どうトータルでプラスに持っていくか?」。ソニーピクチャーズ時代に大作映画で失敗した経験から社内で徹底的に議論し、生み出された映画コンテンツのポートフォリオ理論のお話などは、経営者としての経験を踏まえた、とても実践的で力強いお話でした。

また、講義の中では、野副先生より各自の考えについて質問が投げかけられ、活発なディスカッションが行われます。受講者のほとんどが、メディア業界の第一線で活動されている方々でもあり、ブログでは紹介できない深い議論がなされていました。

あっという間の90分。「映画業界も次の成長のために一生懸命工夫している。業界が違っても何か取り入れられるものがあるはずなので、ぜひ日本の成長のために頑張ってほしい」という院生の皆さんへのエールもあり、聞いていて胸が熱くなる講義でした。

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