【授業レポート】中国・アジア特許特論(秦玉公/バパット・ヴィニット/酒井宏明)

グローバル企業の生産拠点、そして今後の成長市場としてますます注目が高まるアジア。知的創造システム専攻では、アジアにおける特許実務について学んでいただくために、3期に「中国・アジア特許特論」を開講しています。

日本への影響度、経済規模・市場規模等を考慮し、本科目では中国に最も時間を割きます。2012年度は8コマ中6コマで中国を、残りの2コマでインド・韓国をそれぞれ1コマずつ学習します。

その中国に関する講義を担当するのは秦玉公客員教授。中国で弁護士および弁理士の資格をお持ちの秦先生は、現在、北京にある金杜律師事務所のパートナーとして、知的財産権を専門に活躍しておられます。

shin.jpg

秦先生は、中国の大学で工学修士号を取得後、早稲田大学法学研究科で法学修士号取得し、その後、日本の法律事務所と大手企業の知財部で勤務した経験を有しておられます。つまり、日中両国の実務について十分な知識と経験をお持ちの、まさに第一線で活躍するプロフェッショナルです。もちろん日本語・中国語の双方に堪能ですので、講義は活発な議論を交えて行われます。

6コマ分の講義の内容はこちら。

・中国の知的財産に関する法律の基本体系
・日本特許法と中国専利法の違い
・中国特許出願と中間処理の実務
・中国の審査及び審判制度について
・中国における技術契約に関する法規制及び実務上の留意点
・中国における知的財産権の行使ついて(中国の独自保護体制―行政ルートと司法)
・知的財産マネージメントの留意点
・中国企業の知的財産に関する現状

日本の法律や制度について一通り学習したのち、共通点・相違点を踏まえながら中国の法律や制度を学習できる内容になっています。講義を見ていると、実務で中国との関わりを持つ院生の方も多く、両国のつながりの強さを実感することができます。

なお、本科目では、次の大きな成長市場として注目を集めるインドについても、1コマ設けています。担当するのはインド特許法に精通するバパット・ヴィニット客員教授(サンガムIP代表取締役社長)。バパット先生も日本とインドの特許事情に精通しており、日本でも数少ないインド弁理士です。

近年、当大学院ではグローバル時代に対応したカリキュラムの充実に積極的に取り組んでおり、次の時代の知的財産プロフェッショナルに必要な知識やノウハウを獲得したい方には必見の内容となっています。

いよいよ12月には、秦先生とバパット先生にご登壇いただくK.I.T.プロフェッショナルミーティング『インド・米国・中国における知的財産問題~最新動向と日本への影響~ 』が開催されます。ご興味のある方はお早めに!

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://kitnetblog.kitnet.jp/mt/mt-tb.cgi/2374

コメントする

月別 アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 5.2.9