【授業レポート】特許ライセンス特論Ⅰ(鮫島正洋)

知的創造システム専攻では、鮫島正洋客員教授による「特許ライセンス特論Ⅰ」を3期に開講しています。本科目では、知的財産権をビジネスで活用する際に重要なライセンス契約に関する法理およびその実務的なポイントを学習します。

講義を担当する鮫島先生は、エンジニアとしての発明・特許出願経験、大手企業の知的財産部門での勤務経験、そして弁護士/弁理士としての業務経験など、豊富な専門性と経験を有する、まさに第一線で活躍する実務家です。

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2004年に、内田・鮫島法律事務所を共同で開設後は、知的財産権と技術・ビジネス・法律をシームレスにリンクした企業価値を向上させる新しいリーガルサービスの提供に取り組んでおられます。今年2012年には知財功労賞(経済産業大臣表彰)を受賞。中小企業を対象とした知財戦略の啓発活動や、産学連携および研究開発コンソーシアムに関する取り組みなどで国の委員会の委員長を歴任。多数の論文や著書とともに、日本の競争力向上への貢献が評価されました。

講義全8回の流れは以下になります。一見基本的ですが、だからこそ知財プロフェッショナルとしては完全に理解しておかなくてはいけない内容です。こうした重要ポイントを筋道立ててわかりやすく説明してくださるのが鮫島先生の講義の特長です。

#1 民法概論I(特許ライセンス契約に関連の深い部分=契約法の基礎)
#2 民法概論II(特許ライセンス契約に関連の深い部分=契約法の基礎)
#3 契約書作成の考え方と実務
#4 特許ライセンス契約の戦略/戦術論I(特許ライセンス契約の条項ごとに解説)
#5 特許ライセンス契約の戦略/戦術論II(特許ライセンス契約の条項ごとに解説)
#6 公正取引委員会ガイドライン等(最近の論点)
#7 技術法務、ケーススタディ
#8 演習・課題に基づいて契約書を起案する

取材日のテーマは、契約書の作成手順。「内容の近い典型的なひな形を探してきて繋ぎ合わせる」のではなく、達成しようとするビジネスの目的に立ち返り、戦略的に契約書を作成するには、何について、どういう順番で検討しなくてはいけないかを教えていただきました。

既存のひな形をそのまま使うことのリスクや、簡単にレビューしてしまいがちな一般条項(解除条件や裁判管轄、準拠法など)の戦略的な重要性などを具体的に分かりやすく指摘いただき、短いながらも内容の濃い講義となりました。

22時15分…この日の講義が終わった後も、受講生の皆さんが鮫島先生の近くに集まり、様々な質問をしておられました。こうして第一線で活躍する実務家教員に自分の意見や疑問を直接ぶつけることができるのも、K.I.T.虎ノ門大学院の魅力のひとつと言えるでしょう。

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