K.I.T.虎ノ門大学院では、メディアやエンタテインメントビジネスの世界市場で通用する人材育成を目的に2012年度より「メディア&エンタテインメントマネジメントコース」を新規開講しています。
基礎的な理論や市場の概況にとどまらず、実践的なケーススタディや経営計画・事業計画の作成、さらには具体的なマーケティング企画や法律実務までを、トップクラスの教授陣から学ぶことができるのが最大の特徴です。
2期に開講している「メディア&エンタテインメント契約・交渉特論」(1単位・全8コマ)は、スポーツビジネスおよび音楽ビジネスを題材に、実務的契約や交渉の世界について理解を深めます。「放映権の販売交渉」「スポーツ選手のマネジメント」「音楽著作権」「アーティスト交渉」といった具体的な場面で必要な専門知識を、実例や最新動向とともに学ぶことができます。
本科目を担当するのは実務経験豊富な3名の教員。エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社の執行役員・経営戦略本部長である阿南雅浩 客員教授、スポーツ法を専門とする弁護士の大橋卓生 准教授、さらには、本コースを統括する北谷賢司 教授(コンテンツ&テクノロジー融合研究所所長)です。
7月末に行われた講義のテーマは、音楽コンテンツにおける「アーティスト」「所属事務所」「レコード会社」の契約。担当する阿南先生は、なんと日本を代表する大手レコード会社のエイベックスでアーティストの契約等を担当してきた業界の第一人者です。
もちろん、長年メディア&エンタメ業界で活躍されてこられた阿南先生のお話は、非常にシビアかつ専門的です。TV出演やミリオンヒットなど、華やかな舞台の裏側で繰り広げられるビジネスの主導権争い。初めて聞くものばかりでした。
例えば、音楽コンテンツが市場に出るとき、アーティスト、所属事務所、レコード会社の間の契約がどのようになっているのかご存知でしょうか。
「印税の取り分は通常どのような配分になっているのか?」
「制作費はだれが負担して、原盤権は誰が持つのか?」
「契約期間はどの程度で、その間のアーティストの義務や報酬はどうなっているのか?」など、
契約上の具体的な論点とその取り決めのパターンついて、豊富な具体例を(もちろん差支えのない範囲で)挙げていただき、生々しいエピソードもたくさん出てきます。
また、通り一遍の「型」をお話しいただくだけでなく、エイベックス社の事業戦略と照らし合わせて、同社ではどういう方針で事務所やアーティストと契約しているのか、という一歩踏み込んだ大変実践的なお話もいただきました。
受講生の方々にとっても、アーティストやタレントなど馴染みのある話でありながら、実はあまり詳細を知ることができない領域だけに、たくさんの気づきがあったようで、授業中は活発な質問が飛び交いました。
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