知的創造システム専攻では、第1期に「工業所有権関連条約特論1」(2単位/全16コマ)を開講しています。
経済のグローバル化の進展に伴い、知的財産実務の現場では、日本だけでなく国際的な知的財産の知識が必須になっています。本講義では「世界的に通用し使える特許権を取得するためには、どうしたらいいか」を常に考えながら、国際的な法的フレームワークを俯瞰します。
具体的には、主にパリ条約、TRIPS(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)、特許協力条約(PCT)、二国間協定などについて学び、現在の国際的な特許制度の抱える課題を明確にしていきます。
担当するのは鶴谷裕二客員教授。特許庁にて特許出願の審査・審判業務や、多国間交渉、二国間交渉、途上国における模倣品対策などの特許行政に携わったのち、現在は伊藤国際特許事務所の副所長として、特許実務の最前線でご活躍されています。
今回(5月30日)は最終回の授業でした。この日のゴールはこれまで14回の授業で学んできたことのポイントを再度取り上げ、知財制度の国際的枠組みを再度レビューすること。
約20名の受講者全員が、別の論点をランダムに割り振られ、時間内にそれぞれについて簡潔に説明するという方式です。理解したと思っていた内容でも説明するとなると意外に難しく、不明瞭な点が次々と明らかになりますが、そこは先生が適宜補足を加えながら、授業は進んでいきます。
いくつか、テーマを抜粋しますと、
「パリ条約 外国登録商標 6条の5」
「PCT 指定国と選択国の違い」
「TRIPS協定 特許の対象 27条」など。
それぞれのテーマについて、順番に発表が続き、回答に困った時には、受講者同士が助け船を出し合いながらの授業となりました。
こうして全体を一気に復習することで、各条約間の関係を含めた国際特許制度の大きな流れをつかむことができたのではないかと思います。
本講義を受けて、第3期には「工業所有権関連条約特論2」(2単位/全16コマ)が開講されます。今度は、特許協力条約における手続論の実務的学習・研究を行っていきます。
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