【授業レポート】コーチング実践特論(桜井一紀)

「組織の活性化や業績の向上を実現するために、どう部下や後輩らチームメンバーの能力と自発性を引きだすか?」

これは、企業などでマネジャー/リーダーを務めるビジネスパーソンにとって大きな悩みの一つです。そこで、本大学院ビジネスアーキテクト専攻では、第4期に「コーチング実践特論」を開講しています。

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本科目を担当するのは、日本最大のグローバル・コーチング・ファームである株式会社コーチ・エィで、専務取締役を務められている桜井一紀 客員教授

自らコーチとして活躍されながら、株式会社コーチ・トゥエンティワン(1997年)や特定非営利活動法人日本コーチ協会(2000年)の設立に参画するなど、日本におけるコーチングの普及やコーチの育成に長年携わってこられました。

全8回の講義では、「聞く」「承認」「質問」「提案・要望」「フィードバック」といったコーチングの基礎スキルを、豊富な実習を交えながら磨きます。これにより「ビジョンや価値を伝える」「メンバーを前進させ成長させる」「人の特性を活かす」といった現在のマネジャー/リーダー層に必要とされるコミュニケーション能力の獲得を目指します。

第5回目となる今回の講義は、まず前回の講義テーマであった「質問」について、2人1組のチームでコーチ役とクライアント役を交互に担当しながら実践しました。

コーチングの基本スキルの一つである「質問」。

指示によって行動を変えるのではなく、相手の「思い込み」に対して「質問=問いかけ」をすることで、相手が自らその行動を選択する状態になってもらうことをゴールとします。

この時に、受講生の皆さんに配布されたのが、コーチ・エィ社のオリジナルツール。テーマごとに効果的な質問例が数多くリストアップされており、受講生の皆さんは実践を通して質問の仕方を具体的に学ぶことができます。

やはり、普段こうしたコミュニケーション方法を意識したことがない方々も多かったのですが、桜井先生のアシストを受けながら、活発なグループワークが教室中でなされました。

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授業の後半では、これもコーチングの基礎スキルである「承認」(認める/誉める)についての講義。先生によると、ある調査では、日本人の約80%が褒められた時にモチベーションが上がるとのこと。

一言で褒めるといっても、相手が素直に受け取れないと意味がありません。例えば「凄いですね」と褒めても、相手に「そんなに褒めて何か裏があるんじゃないですか」と反応されることはあります。

だからこそ、様々な「承認」のパターンについて知り、相手や場面に応じて意図的に使い分ける必要があると言います。

たとえば褒め言葉といえば「あなたは素晴らしい」というYouメッセージが一般的です。しかし、この言い方は評価を含んでいるため、気を付けて使わなくてはいけません。

時には「君と一緒に仕事をしていて、私は本当に助かっている」(Iメッセージ)や「お前のおかげで会社全体が盛り上がった」(Weメッセージ)といった、相手から私(たち)が受けている影響を話した方が、相手に受け入れられやすいこともあるそうです。

このような使い分けを自然に行うことは難しいですが、コーチングテクニックを学び、日々の業務の中に取り入れることで、組織が変わり、成果が上がる…と思える授業内容でした。受講生からのフィードバックが今から楽しみです。

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