【授業レポート】知財実務英語特論(木越 力)

本日は、知的創造システム専攻 第3期に開講している「知財実務英語特論」をご紹介いたします。

「日本から海外への出願」「海外子会社から国内への出願」「他国での特許係争」「外資系企業との特許ライセンス交渉や契約締結」など、知的財産のプロフェッショナルとして高い英語力を求められる場面は年々増えています。

当然、一般的な英語力に加え、知的財産業界における固有の単語や、表現・形式に関する知識や能力が求められます。しかし、この固有の部分はなかなか学ぶのが難しいのが現状です。

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そこで、当大学院では、知財実務を遂行するために必要な実務英語の知識を身につける機会として、本科目を開講しています。

担当するのは外資系企業の(株)トムソン技術研究所の特許部長でもいらっしゃる木越力 客員教授。また、全8回の講義中では、第一線で活躍している知財翻訳者(3回)や、通訳者(1回)をゲスト講師として迎えます。

第5回目の講義である今回のテーマは「特許通信文(コレポン=Correspondence)」の書き方。日本企業が外国の代理人に出願依頼をする場合や、外国企業の依頼で日本で特許を出願する場合など、日本の企業に勤めていても、英語の特許通信文を書かなくてはいけないケースは多々あります。

この日の授業では、例文を取り上げながら、こうした文章を書くにあたって、現場で使われている基礎的な表現方法の解説をしていただきました。

また、表現だけでなく「分かりやすく、冗長でも慎重・確実に」「必ず出願番号、自分の参照番号、相手の参照番号を明記することにより案件を確実に特定する」など、現場で必要な基本的なルールや心構えについても解説いただきました。

米国クライアントとのやりとり、欧州とのやりとり、中国や韓国などアジア諸国とのやりとり。その全てのケースについて具体的な事例を交えながら、解説していただけるので分かりやすく非常に実践的です。

さらに、最後にご紹介いただいた参考資料・参考図書も、「現場で役に立つ」という視点で選ばれたものばかり。中には30年前の書籍もありましたが、基本的な考え方は今も通用するものがあります。

本科目のシラバスにも「優先順位の高いものから順に…」という言葉があります。まさに全8回の中で要点を掴むことができる、オススメの授業です。

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