「ロケーション・エンタテインメント(LE)産業の最前線:カジノ導入による成長性とは」

9月30日(金)100名以上の業界関係者や一般参加者、取材記者の方々にお集まりいただき、本大学院コンテンツ&テクノロジー融合研究所主催、ロケーション・エンタテインメント研究協議会の設立発表会および、記念セミナー「ロケーション・エンタテインメント(LE)産業の最前線:カジノ導入による成長性とは」が開催されました。

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ロケーション・エンタテインメント(LE)とは本来、大型商業施設の開発にエンタテイメント施設が含まれる際に使用されてきた呼称で、ディズニーのフロリダ州オーランド地域の大規模開発が原点と言えます。現在ではカジノを中心として開発される施設の呼称として用いられることが一般化しています。

当日、記念セミナーに先立って行われた記者発表会では「世界中で注目を集めるLE産業は外国人観光客の誘致や地域振興の切り札として、日本でも期待が持てる」との設立背景のもと「日本におけるLE産業の成功に必要な学術的な調査研究を中心に行い、グローバルな環境下で活躍できる人材の育成を目指す」との発表がありました。

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セミナー冒頭では、ラスベガス、マカオ、シンガポールの大規模カジノ開発に際し、エレクトロニクス資材・システムの供与とエンタテイメント企画や興行で経験を持つ北谷賢司教授より「1933年のゲルマン首都構想、ディズニーワールド、ラスベガスのカジノシティー、90年代の日本企業による失敗事例、マカオ・シンガポールを中心とした新世代のカジノLE施設への移り変わりについて」LE施設の歴史から最新の事例まで、時代を遡って幅広くご紹介していただきました。

続いて、全国各地で多岐にわたる商業施設開発に於いて斬新なコンセプトを創造、提供し続けている北山創造研究所の北山孝雄氏をお迎えし、日本ならではのエンタテインメントシティの可能性として、【相撲の街=両国】をモデルケースに新たな可能性を指し示していただきました。「日本の自然、歴史、文化を大切にしながら、歩く、繋ぐをキーワードに、街を元気にして人々を集めていく」と、ユーモアたっぷりにお話いただきました。

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さらには、世界各地で大型ホテルの経営を行うJALホテルズ前社長で、観光産業全般に造詣の深い千代勝美氏から、観光産業とLE産業のシナジー効果についてお話頂きました。「魅力的なLE施設が出来上がることにより、外国人観光客への強烈なアピールとなります。シンガポールのマリーナベイ・サンズではSMAPのソフトバンクのCMの影響により、日本人観光客が急増しているデータもあります」と、LE施設の持つ影響力の高さを語っていただきました。

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最後に行われたパネルディスカッションでは、質疑応答の時間も設けられ、世界中のカジノに数億円単位の口座を持つ日本人唯一のハイローラーX氏や、韓国や米国のカジノ企業、日本のホテル会社、施設開発会社、経営コンサルティング会社のマネジンメントクラスの方を交えながら、今後の日本でのカジノを含むLE産業の可能性について全講師及びセミナー参加者で闊達な意見交換が行われました。

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昨今、中東や南米、東南アジアでも、様々な施設を複合した新世代の不動産開発が進んでいますが、従来のデザイン重視の傾向から、周辺の都市環境との調和を目指すスタイルへと劇的に変化してきています。

今後は、カジノ施設だけにとどまらず、ホテル、ショッピングモール、シアター、グルメ、エステ、ミュージアム、スタジアム、コンベンションセンター、公園などを統合した、“街づくり”的な考え方が重要であると言えるでしょう。

「おもてなしの心」、「ジャパニーズホスピタリティー」という、日本的な高品質サービス活かした、日本ならではのLE産業の成功と発展が期待されています。

K.I.T.虎ノ門大学院 ビジネスアーキテクト専攻では、北山孝雄氏や千代勝美氏のような一流の実務家を客員教員として招聘し、来年度よりメディア&エンタテインメントマネジメントコースを新設いたします。

国内外から集まったプロフェッショナルとの出会いの場を提供することにより、メディア&エンタメ産業を牽引していく専門人材の育成に努めて参ります。志ある方々の挑戦をお待ちしております。

 

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