【授業レポート】企業財務特論2(大信田 博之)

2011年度、K.I.T.虎ノ門大学院 ビジネスアーキテクト専攻では、ファイナンス系の科目を合わせて4科目開講しています。

まず始めに第1期の「企業会計・財務要論」、続いて第2期の「企業財務特論1」と、ステップアップしながら着実に学習を進めることができます。

そして、第3期にはその応用編として、下記の2科目を開講しています。

■企業価値評価やコーポレートファイナンスについて学ぶ「ファイナンス戦略特論
■企業価値向上の手段としてのM&Aについて学ぶ「企業財務特論2

今回取り上げるのは「企業財務特論2」のメインテーマでもあるM&Aです。その言葉はニュース等で頻繁に耳にするものの、実際にどのようなプロセスで行われているのか?取引価格はどうやって決定しているのか?といった実体面を知る機会はほとんどありません。

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担当するのは大信田 博之 客員教授。大信田先生は大手会計事務所KPMGグループでアドバイザリー業務を手掛ける株式会社KPMG FASの代表取締役パートナーを勤めておられます。

同社は、M&A、事業再編・再生関連アドバイス、デューデリジェンスなどのサービスを提供しており、大信田先生はまさしくM&Aのプロ中のプロと言えます。

講義中には、紙面を賑わせている大手製鉄会社や製薬会社などの大型M&A案件について、豊富な経験に基づき、様々な側面から解説・分析を加えて下さります。

また、M&Aの主な本質的リスクとして「情報量の格差・非対称性」「限られた時間の中での意思決定」「組織間の利害対立、議論の停滞」「実行過程における市場環境の変化」「買収対象に係る不確定要素」の5つを挙げ、それぞれについて具体例や現場での生々しい話を挙げながらお話しいただきました。

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普段、買い手側のアドバイザーとして、M&Aに関わられることが多い大信田先生。限られた情報で、かつ秘密裏に企業価値を算定する、その現場での工夫や苦労の話は、非常に興味深いものでした。実際に現場で使われている“生”の社内資料を見せていただいたり…(もちろん差し支えのないものです)

また、院生さんの鋭い質問にも、理屈ではなく、豊富な実例に基づく現場での最適解をベースに答えていただけるので、大変参考になります。

次回第5回までは講義形式ですが、6回目からは具体的な事例研究を行っていくということで、こちらも非常に楽しみです。

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