6月25~26日、専修大学生田キャンパスにおいて、日本知財学会主催による【第9回年次学術研究発表会】が開催されました。
今回は、知的創造システム専攻の7期生の佐古さんが、国内・海外主要企業のCIPOの現状とその育成に関するアンケート調査に基づき、「日本におけるCIPO育成のための大学院教育に関する考察」をテーマに発表を行いました。
CIPOとは日本ではまだ馴染みが薄い概念ですが、経営の観点からCEOを補佐して、その企業の知財戦略全体を統括する役職であり、欧米の知財先進企業では既に設置されている例が多くあります。いわば経営と知財と技術の三位一体を実現するためのボードメンバーを称します。
そのようなメンバーに必要とされる経験知識に関する調査結果が報告されましたが、知財の専門知識というより、むしろ事業や経営全般に関するものが過半数を占めるとのことであり、マネジメントの観点から知財戦略を統括し、その責任を持つ人材の必要性が改めて浮き彫りとなりました。
日本の周辺諸国の知財制度、同国企業の知財力が急速に変化・向上している中、特に海外に進出する日本企業において、知財戦略を統括するCIPOへのニーズは一層高まるものと思われ、会場からの質問や意見も、その必要性を強調するものでした。
今回の発表内容が日本の知財経営の世界で実際に活用され、CIPOの育成に繋がることを期待したいと思います。
(写真と文: 知的創造システム専攻6期生 高橋誠さん)
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