【授業レポート】コンサルティング実践特論(岡田和典)

ビジネスアーキテクト専攻・4期では、木曜日夜に5限(18:45~20:15)・6限(20:30~22:00)と2コマ連続で「コンサルティング実践特論」を開講しています。

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ビジネスアーキテクト専攻も4期目に入り「戦略思考演習」「戦略プロジェクトマネジメント演習」「オペレーションズマネジメント演習」「エンタープライズ・アーキテクチャー演習」など実践・実務的能力/スキルの修得を目的とした科目が中心となります。

今回取り上げるのはその中の人気科目の一つ「コンサルティング実践特論」。業務変革や戦略構築に求められる基礎的な思考力の習得に加え、それを実践に活かすためにはどのような思考プロセスが必要なのかを繰り返しの訓練で「体得」することを目標とします。

担当する岡田和典客員教授は、企業変革コンサルティングのエキスパート。外資系コンサルティング会社で数百社以上のプロジェクトに従事した後、現在は、自らコンサルティング会社を経営し、地方企業から大手上場企業まで業種業態規模を問わず企業価値の向上に取り組んでおられます。

加えて年間70件を超える講演・セミナーの講師を務めるなど、人材育成にも積極的に取り組んでおられます(岡田先生のハードワーカーぶりは先生のブログをご覧いただくと分かります...)。

さて、3回目(5・6コマ目)の授業である今日のテーマは、「経営資源の最適化」を行うために有効な経営手法である「ABC/ABM」の概論。「ABC/ABM」を簡単に説明すると...(詳細は書籍等をご参照ください)

◆ビジネスを構成する業務を活動(Activity)毎に分解し、それぞれの業務量を把握することで、経営資源の配分を可視化する経営手法が「ABC」(Activity Based Costing:活動基準原価計算)。

◆ABCの分析結果を活用しながら、注力すべき活動と注力せざるべき活動を分類し、改善改革を実行することで、有限である経営資源の最適活用(有効活用・適材適所)を達成する経営手法がABM(Activity Based Management:活動基準原価管理)です。

1コマ目(5限)はこのABC/ABMの概要説明。なかなか理論通りにいかない経営改革をどう進めるのか。ABC/ABMを「日本で一番実践してきた」岡田先生は、実践で必要なポイントに絞って、スライドを使いながら分かりやすく解説してくれます。

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授業中には「ここ、本にあまり書いていないけど大事」「ここ、コンサルタントでも誤解している人が多いので注意」といったセリフが何度も出てきます。とにかく具体的で現場感のある話が続きます。

ここには書けないような切れ味鋭いジョークも随所に交え、授業中には笑いも絶えません。

そして、2コマ目(6限)は生データ/提案書を使った講義(もちろん具体名は削除し、守秘義務は守っておられます)。

「ABC分析の結果、社員が電話の取り次ぎ業務に多大な時間を使っていることが判明。費用が高くとも直通の携帯電話を導入することで大幅なムダを削減したケース」
「物流コスト削減のための高価な機械を導入すべきかどうかをABC/ABMを活用し判断したケース」
「間接部門の業務をABCで分析した結果、大幅な組織変更を行った方が、人員を有効活用できることが判明したケース」
「ABC分析の結果、社員が移動に多くの時間を使っていることが判明。賃料が大幅に上がってもオフィスをワンフロアに集約した方が経営改善につながると判断したケース」

などなど、十件程度の事例を使い、1コマ目で学習したポイントが腹に落ちるよう、解説が続きます。明日から会社の業務変革に使えそうな話も満載です。

最後には、チームに分かれ、それぞれの会社でどう活用できそうかを話し合い、そこに先生がフィードバックを加えて授業は終了。

今後は、他の経営手法も学んだ後、自身の会社の事業を題材としたプレゼンテーションにも取り組んでもらいます。一流のコンサルタントからフィードバックを受け、実際の成果に結びつける...そんなことも可能な実践的でお得な授業です!

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