近年、超党派カジノ議連の間でも、カジノ合法化についての意見交換等が盛んに行われ、日本でのカジノ合法化も目前に迫っていると言われていますが、コンテンツ&テクノロジー融合研究所では、いち早くこのテーマを取り上げます。
世界の動向と日本の現状を踏まえ、業界の第一線で活躍されている方々を講師にお招きし、【Casino Industry~国内ゲーミング産業の行方~ 】をテーマにマネジメントセミナーを開催しました。
前半、北谷教授による基調講演「カジノ産業概論」が行われた後、韓流スターのイ・ビョンホンさんの広告等でよく知られている【セブンラックカジノ】を運営するGrand Luck Corp.LTD CEOのユン・アンモ氏から、「カジノ産業は全世界で10兆円規模の産業に成長しており、21世紀の成長エンジンになるのは間違いない」、「カジノの中心地はラスベガスからアジアへと移り、中国マネーの流入がさらに進む」とご説明頂き、韓国におけるカジノ産業の実態や課題などについてもお話し頂きました。
一方、日本のゲーミング産業については、全国競輪場施設協会 会長であり、本大学院客員教授でもある秋山弘志氏に、国内の現状と、実際に日本でカジノが合法化された際の国内のゲーミング産業への影響についてお話を頂き、「日本の公営競技(競馬・競輪・競艇・オートレース)は変革を迫られており、従来の公共及び自治体による運営では顧客のニーズを満たすことは無理」、「将来、海外からカジノ業者が入ってきたら、ハード・ソフトどちらの面でも太刀打ち出来ない」と、危惧されていました。
また、今回は特別ゲストとして、一晩で100万ドル以上を賭け、カジノ産業において収益の6割~7割に寄与するとも言われるハイローラーの方にもご登壇頂き、世界のカジノを周られた経験や、実際にカジノを楽しむ側からの体験談などについてお話頂きました。「カジノにとっては、1万ドルを賭ける100人の客より、100万ドルを賭ける1人のハイローラーの方が営業効率が高い」という事実や、「マカオでは、中国富裕層などのハイローラーがメインターゲットで、総売上の9割近くがカジノ本体からの売上によるもの。一方、ラスベガスでは、一般客を重要視しており、総売上の半分以上はショービジネスなどカジノ以外からの売上で成り立っている」と、簡潔かつ明快にご説明頂いた。
後半は、北谷教授をモデレーターとして、ユン・アンモ氏、秋山弘志氏、ハイローラーX氏の4名でパネルディスカッションを行い、参加者の意見も交えながら、カジノ産業の未来について熱い議論が交わされました。
カジノというと、まだまだ日本では健全な娯楽として定着しているとは言い切れませんが、海外では紳士淑女の社交の場として広く認識されています。果たして、日本国内におけるカジノ産業の未来を切り開くのは誰になるのでしょうか。
次回は、2011年1月19日「デジタルシネマ・デジタルサイネージ」をテーマに開催を予定しております。ご期待下さい。
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