【授業レポート】企業戦略特論1(水越豊/殿村真一/冨山和彦)

ビジネスアーキテクト専攻・2期では、水曜日の2コマ目(6限、20:30~22:00)に、「企業戦略特論1」を開講しています。

「企業戦略特論1」はビジネスアーキテクト専攻の目玉授業の1つ。経営コンサルティングの第一線で長年経験を積んでこられ、現在もコンサルティング会社のトップとして活躍中の3名―水越豊客員教授(ボストン・コンサルティング・グループ日本代表)と殿村真一客員教授(株式会社ヘッドストロング・ジャパン代表取締役社長)、冨山和彦客員教授(株式会社経営共創基盤代表取締役CEO ※予定)―が担当します。

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2回目の授業となる今日はボストン・コンサルティング・グループ日本代表の水越豊客員教授が担当します。来週の3回目とあわせ、競争戦略を考えるにあたってコンサルタントが実際にどういう頭の使い方をしているのかをテーマに講義します。

今週は競争戦略を考えるためのポイントとして、「フレームワーク」と「インサイト」の2つのテーマを扱いました。

最初は「フレームワーク」の話。経験曲線やスケールカーブ、PPMマトリクスなど数多くのフレームワークが戦略立案の現場でどのように使われているか、また、使うべきか、ということについて、実際のDRAM(半導体の一種)の事例を使って説明していきます。

ここでは詳細な説明は割愛しますが、累積生産量が増えることで習熟度が高まり一定の比率で生産コストが下がってくるさまをグラフ化した「経験曲線」や、研究開発費や広告宣伝費など、同じものを開発・生産・販売するのに規模が多いほど負担が少なくなる「スケールカーブ」。これらのフレームワークはコンサルティングの現場に携わったことがなくても知っておられる方も多いと思います。

では、それは戦略立案の現場で実際どのように役に立っているのでしょうか?

「フレームワークを使うことで、議論をする際に関係者の目線が一致する。結論が出てくる訳ではないが、前提を共有して議論ができる」

これが、長年経営・戦略コンサルティングに携わってきた水越先生の基本的な考えです。「フレームワークを見ても自動的に答えが出てくるわけでなない。世の中はそんなに単純じゃない」ということは授業中、何度も強調されていました。

その後もフレームワークを使うにあたって気をつけるべきポイント(可能な限り定量化するなど)を様々な実例、チャートを見せながら説明。コンサルティング会社の研修さながらです(しかも、講師はコンサルティング会社のトップ!)。

続けて、「インサイト」の話。フレームワークなどを使ったロジカルシンキングだけでは「理屈で考えたらこうなるはずなのに、何かおかしいな?」という限界に必ず突き当たるもの。そんな時に「どうしてこうなるのだろう?」を考えることの重要性とその方法・視点・目の付けどころについて話を進めて行きます。

例えば、先ほどの「スケールカーブ」も、そこにあてはまらない小企業の存在を「何かオカシイ」「気持ち悪い」と感じ、考えを進めることで、新たな定石である「V字カーブ」へと発展しました。

他にも「ホワイトスペース」を探す、「逆張り」をするなど...インサイト探しの様々なヒントを具体的な事例(ここでは書けないような話も...)とともに解説して頂きました。

あっという間の90分。来週は、競争戦略を実行する上でのポイントとしての組織論がテーマとのことです。

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