今回の虎ノ門サロンでは、シリーズ「ニッポン再生へ!新ビジネス発“創”力の時代」(その3)「いまこそ「独創力」を活かせ! ―世界に誇る半導体の父、大いに語る―」と題し、首都大学東京 名誉学長でいらっしゃいます西澤 潤一先生にお越しいただきました。西澤潤一先生は、既にご存じの方も多いかと思いますが、これまでに数々の先進的な研究をされてこられ、その中でも特に半導体に関する研究においては、世界的に有名なかたでもあり、半導体の父とも呼ばれている方でもあります。
そんな西澤先生に、この度はこれまでの先生の苦労話や、西澤先生が考える日本国としてのあり方、また日本人としてのあり方など、日本とはいったいどのような存在であるかなどのお話があった。
その他、世界に目を向けた時、日本の存在意義とは何なのか、そしてこれからの技術立国日本を支えていく技術者に必要なものは何なのかといった、大変広範囲にわたるお話を約1時間半の時間ではあったが、大いに語っていただいた。
特に西澤先生が当初苦労したお話の中には、昔は産学連携などと言うと、周りから叱られたが、今では当たり前の世界になった。今後も各大学と企業、又は官公庁などと積極的に連携し、日本の科学技術を育てていく必要があるとの話があった。また、技術者の育成に至っては、本質がわかる技術者が必要との話があり、ものづくりにおいても、その本質はどこにあるのか、視野を広く持てることが重要であるとのことだった。
話の中には、日本や世界の技術史についても話があり、先生は常に好奇心旺盛で、何か新しいものを見つけたり、又は話を聞いたりした時には、自分でまずは調査し、必ずその情報が正しいのかを確認している。我々がこれまで信じていた情報が、実は間違っていたりして、西澤先生の話を聞きながら、今回のサロンに参加されていた方々からは、驚きの声も上がっていた。
その他、特許の話についても、日本とアメリカとの違いや、これまで出した特許の中できっと通らないだろうと思った特許が、何も言われずに通ったといった話もあり、会場から笑い声が聞こえる場面もあった。
今回は大変貴重なお話を聞くことができ、もう少し聞いていたいという思いはおそらく参加された皆様も同じだろうと思うが、ぜひ今後も機会を見つけて、また虎ノ門キャンパスへお越しいただきたいと思う。
最後に、なぜ今も現役で学生の指導や研究に打ち込めるのか。また今もハードなスケジュールの中、海外へも出張されたりと、多方面において活躍されているが、その元気の秘訣は何かという質問については、「自分がやらないととつい思ってしまうから」という言葉があった。
常に最先端の現場に身をおいて、自分の代わりを育成しないといけない思いも背負いながら、まだまだ自分自身でやりたい事もたくさんあるような、そんな感じも受けた今回のサロンだった。
次回はシリーズ「ニッポン再生へ!新ビジネス発“創”力の時代」の最終回となります。
是非ご期待下さい!
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