「経営者たちの決断に学ぶ日本のこれから」K.I.T.虎ノ門サロン

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今年度最後のK.I.T.虎ノ門サロンでは、森 一夫氏(日本経済新聞社 特別編集委員兼論説委員)を講師に招き、今回のシリーズのテーマであった「トップが語る経営 -そのときの決断-」の総括をいただいた。今回のシリーズにお越しいただいた講師は以下のとおりである。

第一回:佐藤安弘(キリンホールディングス株式会社 名誉相談役)
第二回:藤田史郎(株式会社NTTデータ 元代表取締役社長・会長)
第三回:佐々木 正(元シャープ株式会社 代表取締役副社長)

それぞれの回では、ご自身の体験談や経験をもとに、まさに企業の一時代を築き上げてきたその経営手腕とそのときの決断について、大変貴重な話を多く聞くことができた。また、誰もが現役を引退後も学ぶ意欲は衰えておらず、中には本の執筆や、講演活動を精力的にこなしている方もいた。やはり、トップが語る一言一言には、これからの世代に向けた言葉も多く寄せられていた。

今回のシリーズ最後に登場いただいた森 一夫氏(日本経済新聞社 特別編集委員兼論説委員)は、一言で総括することは大変難しいが、やはりこれまで様々な企業トップの方々を取材してみて、輝いていると思われる方は、どこか他の人達とは良い意味で変わっているという話があった。これは、行動力も含めて、普通では考えられないようなことを言ったり行ったりといったことで、やはり物事を「変える」といった時には、その奇抜さが必要だということだった。

共通して言えることは、歴史的な経営者は発想の仕方や着眼点が異なり、それゆえに他の経営陣から不信に思われることもあるようだが、信念を貫く勇気と、野性的な感覚というのは、昔も今も変わらず必要なのかもしれない。先日ビジネス雑誌の中に、スズキ自動車の鈴木会長の記事が載っていたが、鈴木会長には昨年度虎ノ門大学院のシンポジウムでも基調講演をお願いしたときも、「経営には感覚が必要だ」というような話があり、この感覚というのはまさに経験がものをいう野性的感覚に他ならないとは思ったが、今回講師でお越しいただいた方々もやはりそういった感覚的なものを持っていたように思えた。

これまで数多くの企業トップを取材してきた森氏だからこそ分かる、トップの素顔やその方々の人間性というのは、これは時代を超えて共通する部分が多いことが分かった。最近の経営者はあまり多方向から物を見ないようになっているのではないかといった指摘があった。また、あまり突拍子もない発想や行動を取る経営陣もほとんど見なくなったという話があった。しかし、今回の金融危機や、経済状況により、新たな発想転換や行動力が試される時が来ていることは間違いない。

経営に失敗も成功も、その時の決断が間違っているのか正しいのかなんて、やってみなければ分からない。何年後か経ってからあの時の判断は正しかったと思える日が来るかもしれないが、それをやるのかやらないのかは、やはりその時の決断であり、物事を多角的に見る力や、野性的感が働くかどうか、やはりそういう人物はどこか「変わっている」と思われるのだろうが、今回のシリーズではその一片を垣間見ることができたように思える。

次回は来年4月から再開する予定です。

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