「原点は夢~わが発想のテクノロジー~」KIT虎ノ門サロン

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KIT虎ノ門サロンも27回目となり、これまで様々な業界の方々をお迎えして、多岐にわたった話題を取り上げサロンを開講してきたが、今回もその企業で一時代を築き上げた企業トップの方をお迎えしお話を聞くことができた。
第27回KIT虎ノ門サロンでは元シャープ株式会社 代表取締役副社長の佐々木正氏をお迎えし、現在佐々木氏がライフワークとして行っている取組や、また今本を書いているとのことで、その内容も一部ご紹介いただくことができた。

まず、内容について述べる前に、佐々木氏は現在94歳であり、今なお多くの講演活動や積極的に研究活動などをされており、正直聞いている我々は圧倒されっぱなしでした。なぜここまで元気でいられるのか不思議に思ってしまいましたが、それにはやはり、常に好奇心旺盛でいることや、様々なことに興味をいだき研究してくことだと、今回の佐々木氏の話を聞いていて思った。

佐々木氏が現在取り組んでいることは、「共創」の原理について研究しており、話の中には「これからは「独創」ではなく「共創」が必要だ」という内容だった。共創とはまさにともに作り上げていくことであるが、グローバル社会の中において、日本はまだまだ「独創」の領域から抜け切れていないという指摘があり、これからはもっと、様々な人々との共創の世界を作り上げていかなければ、新しいものは生まれてこないという話だった。

現代の日本社会において、特に最近では凶悪な事件や事故が相次いでいるが、それらも「独創」の世界にいるからであり、いかに「共創」していくかが今の日本には必要だということだった。これらの内容について、佐々木氏自身が現在本にまとめているとのことで、近々書店にて目にすることができるのではないだろうか。

また、話は突然変わってしまうが、現在のTVはまだ未完成であり、それはスピーカーから流れる音声が画像と若干ずれがあり、本来は画面からでる光そのものが音声として届く技術が必要だという話もあった。これは可能なことだということだったが、聞いている我々は、今も常に最先端の研究をされている佐々木氏の凄さを改めて感じるとともに、次から次へと新しい発想や話題がわいてくるところは、これは今も現役でなければ出来ない事だろうと感じた。

第一線は退いたかも知れないが、今も色々な夢を見るという佐々木氏は、シャープ時代も様々な取り組みに真っ向から挑み、「緊プロ」というプロジェクトチームの立ち上げや、チーム内には異なる意見を持った人間を常に入れて、多角的に物事をとらえられるような組織を作り上げてきた。現在のシャープにもその精神はしっかりと受け継がれているのではないだろうか。

今回も大変貴重な時間ではあったが、最後は会場から大きな拍手が沸き起こり、第27回虎ノ門サロンが終了した。

次回は、森 一夫 日本経済新聞社 特別編集委員兼論説委員を招いての、今回のシリーズ最後を締めくくっていただく予定だ。今年最後のサロンとなるので、皆様是非ご参加ください!

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