「環境問題のうそ、ほんと」第24回KIT虎ノ門サロン

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シリーズ「エコ・環境、ロハス・スローシティ、社会起業家、そして・・・」と題して全4回のサロンを行ってまいりましたが、第1回目はおひさまエネルギーファンド株式会社 取締役会長/おひさま進歩エネルギー株式会社 代表取締役社長の原亮弘氏にお越しいただき、ソーラーエネルギーの利用について、現在の取組やNPO活動などの紹介を交えお話をいただいた、そして第2回目は「社会起業家-新しいビジネスモデルとしてのNPO-」と題し、NPO法人「育て上げ」ネット理事長の工藤啓氏にお越しいただいた。工藤氏からは、NPO立ち上げからの苦労話や今のニートやフリーターの現状、そして日本だけではなく、お隣の韓国の状況などなについても話をいただいた。第3回目は明治大学 理工学部長である向殿政男教授にお越しいただき、「「安全学」という学問体系は成立しうるか?」と題して、現在向殿先生が行っている新たしい学問領域の開発について話をいただいた。現在科学がどんどん進歩している中で、我々の生活の中には既に様々な機材や便利な道具が溢れているが、それらすべてに対しては、安全性や信頼性というものが不可欠であり、それらを考え作り上げるエンジニアも、安全学という視点から学ぶ必要があるという話があった。

そして、今回シリーズ最後は読売新聞東京本社 科学部長である小出重幸氏をお招きして「環境問題のうそ、ほんと」と題し、今現在テレビや雑誌などで頻繁に騒がれ、つい最近洞爺湖サミットが終了したが、世界規模で環境問題がうたわれているが、一般庶民にとってみれば、地球はこのままでは危ないという認識で終わってしまいがちが今日この頃、実際にこれらの環境問題に対して科学的に立証され、私たちは正確な情報を得ているのかといった興味深い話をいただいた。
blog080724-2.jpgあまり言い過ぎるとメディアを批判するようで申し訳ないが、これまでに環境汚染などを題材に、様々なテレビ放映がされ、そのたびに私たちはその情報を信じきって物を買わなくなったり、又は極度の反応を見せたりする傾向があるが、だが、実際はそれほどのものではないという科学的な検証も実際にはあったりもする。そういった科学的分析や、専門家から話を聞いて記事などを作成するのが小出氏の仕事であり、そのなかで特に印象的だったのが、「リスクコミュニケーション」と「リスクには階層があるので複眼で考えるべき」という話が合った。これは、何か問題が起きた時、正確な情報と今後の対応を最初伝えていれば、トラブルの内容が勝手に独り歩きせず、周りの方々の不安を最小限に食い止めることができるが、それが遅れることで、人は創造を膨らませ、時には誤った情報を認識し信じてしまうこともある。それによる過剰反応や風評被害は、時に多大なる損害を引き起こす原因ともなるという話の中、実際にいくつかの事例を踏まえて説明いただいた。
そして、リスクには階層があるという話の中には、環境問題に関するリスクを一つのものさしだけで測ることは難しく、リスクにはいくつもの階層があり、複眼的に物事をとらえることが大切であるという話があった。環境問題は今始まった事ではなく、これまでも様々な問題は起きており、また歴史的観点から環境問題を見てみると、また違った視点から物事を見ることができたりもする。小出氏は、これまでのジャーナリスト活動から得た、様々な視点から物事を見極めるといった事が出来るようになり、科学という側面から、物事の本質と、本来の問題点はどこにあるかを複眼的にとらえるということの大切さを知ったという。やはり経験値がものをいう場面も数多く専門知識の少ない我々一般人にとっては、テレビの報道などで一体何が本当で、何がうそなのか、これからは色々な物事に対して、複眼的視点を持つよう努力が必要かもしれない。

さて、次回の虎ノ門サロンでは新たなテーマを現在検討中であり、8月はいったんお休みとなりますが、また9月より再開したいと思っています!皆様のご参加をお待ちしております。(次回の詳細が決まりましたらHP等でお知らせいたします!)

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