第18回KIT虎ノ門サロンでは、シリーズ(メディアとコンテンツの未来)の第2弾として、「Innovation in Gaming」と題し、Qエンタテインメント株式会社 代表取締役CCO(Chief Creative Officer)水口哲也氏にご講演いただいた。
水口氏は元株式会社セガに在籍し、その間セガラリーを始めとする新しいゲームの世界を作り上げた方でもある。作品にはそのほか、「スペースチャンネル5」、「ルミネス」、「Rez」など、音楽とゲームを融合させた作品が数多くある。この音楽とゲームの融合による作品で、2002年度欧州アルス・エレクトロニカ・インタラクティブアート部門Honorary Mentionや、日本の経済産業省デジタルコンテンツグランプリ・エンターテインメント部門サウンドデザイン賞、文化庁メディア芸術祭特別賞などを受賞している。また、世界で注目すべきデジタル系プロデューサーやクリエーター50人を選出する「Digital 50」にて、水口氏もその1人として表彰されている。
既に、日本でもトップクリエーターとして、自身の持つ音とゲームの融合世界において、活躍されているわけだが、今回のサロンでは、これまでの水口氏が携わってきた数々ゲームの紹介や、その他「Genki Rockets」という水口氏がプロデュースするバーチャルな世界で作り上げた音楽ユニットの紹介があった。参加者は、色々なことにチャレンジし、しかもその一つ一つに対する水口氏のこだわりや個性が反映され他作品に圧倒されるばかりだった。
また、技術の進歩が目まぐるしい中で、常に新しいプラットフォームに対応した作品を手掛けているところは、やはり現役でい続けるための苦労もきっとあるとは思うが、それ以上に、今回のサロンで水口氏の話を聞いていると、一つの作品から様々な可能性が生み出され、そこから多くの方々との繋がりができ、水口氏はそれらの機会やチャンスを決して見逃さず、常に挑戦し続けていることが、今もトップを走り続けている大きな理由のように思えた。水口氏の話の中で「ゲーム産業と他の産業とのリンクが多様な可能性を生み出している」という話があり、まさにそれを実感しながら、日々を送っているのだと思った。
今年に入り「Live Earth」に水口氏が手がける「Genki Rockets」が参加し、更には地球環境を考えるこのイベントの重要な役割を担うこととなり、元アメリカ副大統領のアル・ゴア氏にも会い、先ほどの話ではないが、一つのことから様々な展開が広がり、そこからまた新たな可能性をご自身で生み出して行っているように思えた。
今後もまだまだ、考えていることもあるとのことで、今後のご活躍に大いに期待するとともに、生涯現役を目指してこれからも頑張っていただきたい!
次回のKIT虎ノ門サロンは、「明日のコンテンツキーワードは想像力」と題し、(株)シンク取締役エグゼクティブプロディーサーの竹内宏彰氏をお迎えして行われる。
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