今年から始まった特別講演の第一弾は、「企業再生の”現場”で学んだこと -企業再生の”現場”から見た資本主義環境下における企業経営-」と題して、株式会社カネボウ化粧品 代表取締役社長執行役員 知識賢治氏に講演いただきました。
知識氏は、1985年に鐘紡株式会社(後のカネボウ株式会社)へ入社後、一貫して化粧品事業に携わってこられ、1998年には、株式会社リサージ代表取締役に就任し、現在に至っている。
今回の特別講演では、知識氏のこれまでの取り組みや経験の中から、マネジメントの本質とは何か、人を動かす力とは何か、また、リーダーシップとは何かを、これまでの現場から学んだことを中心にお話いただきました。
特に最初に話のあった、知識氏にとってマネジメントの本質とは「矛盾と対峙し続ける」こと、という言葉があり、寝ているとき意外は常に日々の業務の中で「何が正しい判断か」を極限まで悩み、考え続けながら意思決定を毎日繰り返していたという話がありました。そんな中、「割り切らない」ことの重要性について、日々の過酷な業務にも、割り切った考えは決して持たず、「割り切る」言葉を禁句としたという話は、非常に重みのある言葉でした。
また、企業戦略を実行する上では、「いつも100メートル走のようなスピード感覚」といった話もあり、特に企業を成長させる上で一つ重要なことは、スピード感覚ということでした。「改革が遅れれば、タクシーメーターのように日々損失が増えていく感覚」というのは、非常に分かりやい表現であり、常にそのような状況の中で活動してこられた知識氏ならではの言葉だと思いました。これまで、色々な戦略策定をいわば「100メートル走」のように駆け抜けてきた知識氏ですが、最後に歪んだ日本型資本市場への提言として、(1)”人”を中心に据えた企業再生、(2)事業再生インフラの整備、(3)社会への貢献という”志”を持つ人材輩出基盤の強化という3つをあげていただきました。
今回のこの特別講演を聞いていた在学生や、修了生の皆様からは講演終了後も多くの質問が飛び交い、また講演が終わった後も、場所を飲み屋に移して、夜遅くまで盛り上がっていました。今回参加された方々は、きっと得られるものが多かったのではないでしょうか。
次回の特別講演では、丸善株式会社 代表取締役社長 小城武彦氏をお迎えして、「資本市場から見た企業経営の要件」と題して、ご講演をいただきます。
非常な使命感をもって、カネボウの再生に取り組まれている真摯な姿に感服をしていました。
マネージャーの仕事として、部下の業務全てにかんでいく、全て承知しているようにするのは、とても大変ですが、それが必要なのだということがよくわかりました。
20代、30代のころにどのようなスタイルで仕事に取り組んでいらっしゃったのか、「責任を取る」とはどういうことか、など本当は伺いたいことがたくさんありましたが、時間切れで質問できず、また2次会にも参加できずとても残念でした。