今回のKIT虎ノ門サロンでは、音楽評論家でエキサイト・ミュージック・エンターテインメント(株)取締役である、平山雄一氏を迎えて、「エンターテインメントにとってニュービジネスとは?」と題し、ここ10年間での音楽業界の変化やそれに伴う新しいビジネスモデルについての話があった。
平山氏は、ここ10年間で大きく変化したのは、音楽の聞き方(スタイル)が、技術の進歩とともに変化し、それに比例して音楽業界も変化してきたとの話があった。確かに、今はデジタル時代というべき、ダウンロードすれば聞きたい音楽は直ぐに聞ける状況になっており、特に携帯電話で好きな曲をその場で聞けるというのは、ここ最近のことだと思うが、それに伴って、CDやMDなどはもう昔の話のようになってきている。
しかし、そんな中でも、平山氏としては、この技術の進歩によって、今まで聞かなかった曲も聞いてみたり、音楽を知るという意味では、その広がりはここ10年間でものすごく広まったということだった。確かに、気になる曲などは直ぐに検索して探し出し、その場で視聴したりすることも今では簡単に出来る時代であり、そういう意味では、皆さんが音楽を知る機会や、聞く機会が数段増えたということだと思う。
その他、平山氏が取り組んでいる中には、インディーズなど、これからミュージシャンとして活躍したいと願う若者達に、スムーズにその願いがかなえる場(業界との橋渡し的な場)を提供していきたいという話があった。
Web2.0など、SNSのような場を設けることにより、お互いに曲を評価しあったり、意見交換したり、又はその場でファンを募ったり、Webを使うことで、その表現の場は一気に広まったが、こういった形のものをうまく利用して、今後の音楽業界を担う若者達の橋渡しや、音楽への関心を高めるための活動を行いたいとの話があった。
技術の進歩によって、これほどまでにこのエンターテインメント(音楽業界)のビジネスが変化したのかと改めて感じた。
次回のKIT虎ノ門サロンでは「今、世界のジャーナリズムは・・・」~グローバリズムの中での日本の課題~と題して、株式会社 講談社 クーリエ・ジャポン編集長 古賀 義章 氏に講演をいただきます。
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