キャリアアップセミナー 1月24日
「企業経営に求められるマネジメント人材とは」
2回目となる今回のキャリアアップセミナーでは、産業再生機構 代表取締役専務の冨山和彦氏による特別講義が行われた。数々の企業再生に携わってこられた経験から、非常に幅の広い話から、企業経営者として、何が必要なのかといった話があった。
その中で印象的なのは、経営者の背負っている物は想像以上に重く、そう簡単には経営者になるべきではないといった事だった。また、若いうちに沢山の修羅場を経験することが、今後もし経営者になるときには絶対に必要だということだった。
日本のエリートの中には、高学歴を持ち、そのまま良い企業に入り、修羅場を経験することなく重役につくようなことがあり、言わば、エリートには危険な目に合わせられないというような風潮はおかしいといったような、熱のこもった話もあった。
やはりどれだけ厳しい経験を積んで、人の人生を左右する現場で仕事をしてこられた冨山氏の話であるためか、聞いていても非常に説得力があり、あっという間の1時間だった。
また、マネジメントの基本原則は人は意思と感情を持った不器用な生き物であり、合理と情理の正反合一であるとの話があった。そして、マネジメントにはゴールはなく、経営の中で一番必要なことは真の企業価値と事業価値の創造であり、持続性のある収益力の拡大を経営者は常に考えていく必要があるとのことだった。それこそが、全てのステークホルダーへの価値配分にもつながり、企業自体を成長されるということだった。
話の中にはまだまだ面白い話も沢山あり、終始本日参加された方からは笑いがこぼれる場面もあった。そして最後に、マネジメントエリートとは、空間的な広がりと時間的な広がりを持った人物であるということだった。まさに空間的広がりとは、自分自身が背負っているものであり、経営者は自分だけの人生の他に社員やその家族の人生も背負っていることを忘れてはいけないということだった。だから、企業経営に求められるマネジメント人材とは、そのことを認識し、修羅場を体験し、人的資源について理解しうる人物であるということである。
冨山氏は、来年度4月より、金沢工業大学大学院 知的創造システム専攻の客員教授として、企業戦略特論(応用編)をご担当いただくこととなっている。本日の講義ではまだまだ話足りない部分も多くあったかと思うが、本日お越しいただいた方々にも、是非ご入学いただき、15回に渡る企業戦略特論を聞いていただきたい。
コメントする