#4 「The war for talent/人材育成競争」:読書会

次の論点は、「人材マネジメントの選択と集中」(p187)に書かれているクラス分けや、それらの対応が書かれている提言に賛成もしくは反対意見を論議した。

まずスタートの意見として、『年収で働いている者は「自分に対して責任を持たないといけない」と思う。自分がA,Bなら賛成で、Cなら反対(笑)。マネージャーとは自分に対しての育成で勉強したり、人が漫画を読んでいても、きちっと本を読むといった意識を持たなければならないと考えるからである。意識を持たない人間と意識を持った人間が同じように評価されるのは好ましくない。また、努力した人間としていない人間が同じように評価されるのはよくない。しかし、まだそのレベルに達していない人を上から評価するのは逆効果でもあると考える。その理由としては、育っている最中の人材を評価してもモチベーションを下げたり、情報が少なくなったりすると考えられるからである。』という鋭い意見を鈴木は発言した。

またIT会社社長の参加者からは、『クラス分けありきという視点よりも、「選択と集中」という視点です。人材は企業にとって財産でもあり、リソースでもある。リソースという視点でいくと、重要なところに力をかけていくというのがあると思う。そこで私は、「80対20の法則」というのを意識している。上位20%の人間が全体の80%の成果を上げていく。それより、上位20%に集中していくことが業績の成長につながると考える。慎重にクラス分けはしていかないとおもうが、ランク付けには賛成意見である。』との意見もあった。

そしてモデレーターの駒井さんは、『鉄は厚いうちにたたけ、30代でたたかれないと、40代でたたかれるときついんではないでしょうか? よくある日本企業では40代くらいの課長さんに新しい事業をしてみなさいとなった場合、その人の心構えがないと出来ないと思います。なので、30代くらいの失敗してもいい年代に、チャレンジングなプロジェクトを与えると良いと思う。』

この論点でのコンクルージョン部分にて、殿村教授は『成長局面においては、そんなにブレはないと考えれらるが、環境の変化が激しくなると、判断がブレるので、どれだけ成果を上げたかや実態を把握しているかが重要になるが、どうしても形式論に走ってしまうので、学歴や貢献度などの偏った評価になる。それより、この辺のアプローチの変更も必要ですが、価値感のシフトが必要ではないでしょうか。』と論説した。

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