#3 「The war for talent/人材育成競争」:読書会

引き続き、読書会での論点についてです。

「人材指向を促進するファクター」(p155)この図にある”メンター”や”コーチング”についてあなたの仕事や生活において経験・体験したことは具体的にどういったことがあるだろうか?

まず、あっさりと答えたのは鈴木さんであった。

『メンタリングやコーチングを受けたことも、したこともない。利害関係がなければ出来る。たとえば、私と駒井さんとは仕事を一緒にしていないから可能であるが、この本に述べられている他部署社員への口出しは日本社会・組織では厳禁であり、部下の育成はその上長に権利と責任が与えられている。周囲に対しては仕事上差障りのない程度の注意は行うが、何の見返りも期待されず恨みだけを買うような行為は慎むべきである。メンターが会社の制度として確立されない限り、このような教育はありえない。』との事だ。

『毎年、新入社員は業務のラインでコーチングは受けている。メンターはメンターとして“やるべきこと“をすべてできるかというとそうではない。メンタリングをできるように、マネジメントレベルの人たちやメンターの人たちを教育しているかというと、実際それは追いついていない。その結果トップダウンで教育している現状であり、投資もしている。会社の状況から急成長してる面もあって、なかなかマネジメント部分が追いついていない。しかし、メンターを受ける人たちのモチベーションを上げていくかが問題で、「その人がこの会社でどういう風に必要なのか」を中心に教育を行なっている。』という斉藤さんの意見もあった。

また、IT業界に勤めるメンバーからは、『全くないです。まだ新しい業界でもあり、中堅や役員の年齢層からしても30代がほとんどである。さらに会社の中でも役職もあまりなく、横のつながりもほとんどない。結局、上司がメンターになるしかない状態でもある。なので、どちらかというと“自分で考えながら走る”スタイルですね。』という意見や、

『本のメンターとは違うが、上司がメンターである。中堅社員が新入社員の“ブラザー”となり、メンターの役割をする。会社に馴染んだり、モチベーション上げたり、基礎知識を教えたりする。違う場面では、人材は消耗品であったので、メンタリングは考えられない。』という意見もあった。

『50人くらいの会社ですが、メンター制度はない。個人でいうと、半分技術を担当し、半分ビジネスを担当してる立場なので、時々で社員の相談になり、大部分がCOOまたは、CTOとの相談になる。大規模な職場にいた際は、組織の壁が高く同じフロアーにいても、どうしても相談などは出来ない。企業の規模などで変わってくるのではないかと考えられる。』

『最高のトレーニングとは、仕事のできる人と一緒に仕事をすることであると思う。能力向上には、具体的な状況で、仕事の出来る人の判断、行動を観察、学ぶことが、非常に重要である。この点で、よい上司とめぐり合うことは大切。さらに、自分自身の経験として、多くの上司と仕事をすることによって、得られたものは大きい。個人によって強み、弱みが異なるため、ある時期になると、上司から離れることも同様に重要と考えられる。』

改めて、メンタリングやコーチングについて話を聞いていくと、必ずしもメンタリング・コーチングという本書のような形はとられていないものの、何らかの形で受けている人が大勢いるのが分かった。それも業種や企業規模によって異なるようだが、本書の「人材指向を促進するファクター」(p155)を元に人材育成(自己育成?)について考えるのも良いかも知れない。

(続きます)

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