職種によらず、キャリアアップを図ることは、常に自分自身との戦いだといわれる。だがITエンジニアにとってのキャリアアップの状況はもっと深刻だ。それは自身のみならず、ここ数年で台頭してきた海外のITエンジニアとの戦いでもあるからだ。例えば、中国・インドのITエンジニアは、日本人エンジニアと遜色(そんしょく)ない(時にはそれ以上の)プログラミング能力を持ちながら、そのスキルを国内の市場価格よりも低い価格で提供している。単純にプログラミング力を磨くだけでは、海外のITエンジニアとの差別化にならない。この競争は、3~5年後にもっと激しくなるだろう。ならば、3年後、5年後の自分のために、どうするべきか。いま、ITエンジニアのキャリアアップは、目先のスキルではなくその先を見据えて考える時にきているのだ。
金沢工業大学大学院の知的創造システム専攻は、まさにこうした時代の流れに応えるべく誕生した大学院だ。
同大学の専任教授であり、世界有数のコンサルティングファームのヘッドストロングジャパン代表取締役社長の殿村真一教授はこう語る。「ITエンジニアにとって、自身の専門性を高める努力は必須です。ただ、キャリアを積み重ねるうえで、もう一段広い視野が求められます。大きな組織を動かしていくためには技術力だけでは不十分です。これからは、テクニカルエキスパートであり、ビジネスも統括できる人材の価値がますます高まるでしょう。ITとビジネスの融合が目指されて久しい今日、そうした人材を輩出していくのが当校の使命だと考えています」
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