本大学院知的創造システム専攻の創造的ITプロフェッショナルコースに所属する上田宏生さんが、金沢工業大学付置研究所ゲノム生物工学研究所研究員の相良純一氏の指導のもとで行った研究について、12月13日~12月15日に行われるゲノム情報国際会議(GIW2004)にアクセプトされ、本専攻初の院生の学会発表が行われる。
上田さんは、本大学院入学以前より、ゲノムに関する研究開発を希望しており、4月から相良純一氏の指導のもと、鋭意研究調査、設計、開発を進めている。平日夜間、土曜日のみならず、毎週日曜日においても、虎ノ門キャンパスに顔を出し研究を進めており、その姿はこちらも恐れ入るばかりである。
なお、上田さんが行っている研究概要は以下のとおりである。
題名:「ステムの比較によるnonCodingRNAの検出」
現代はポストゲノムの時代といわれ、ヒトのDNAを構成する約30億の塩基配列をすべて明らかにするヒトゲノム計画はほぼ終了し、また多くの種でゲノム解読が進んでいます。しかし、塩基配列の並びがわかっただけで、配列上に存在する遺伝子がどのように働くかの多くは未解明のままです。
ポストゲノム研究には、ゲノム(遺伝子の総セット)から、各遺伝子やそれらがコードしているタンパク質の個々の性質や相互関連を解析することなどがあります。その中で、non-codingRNA (ncRNA) とよばれる遺伝情報を持たずに特定の機能を持つ低分子 RNA が近年注目を集めており、それらの機能を解析し、有効活用することが期待されています。
この研究では、解読された塩基配列のデータから未発見のncRNAを情報処理により発見することを目的としています。RNA分子は自ら折り返すことにより、塩基が相補的に結合し、様々な形状の2次構造をとることが知られています。また、塩基が相補的に結合した部位をステムと呼ばれます。開発中のプログラムではこのRNAのステム部位に注目し、自由エネルギー、ステム間の位相などの属性を比較することによって、ncRNAを検出することを目的としています。
生物のバックグランドがないので色々苦労しながらの研究ですが、相良先生初め、皆さんに助けていただきながら、またご迷惑をかけながら、何とかやっているという感じです。興味が先走ってゼミの専門を決めたのですが、それにもかかわらず、このような機会を与えてくださった大学院にはたいへん感謝しております。
ゲノムインフォマティクスといってもまだまだ、入門者中の入門者(中の入門者?)なのでこれから、いろいろ勉強しなくてはいけないと考えています。
あと、、中沢先生「恐れ入るばかりである」なんて勘弁してください。研究室に行きにくくなりますよー。
上田さんが頑張っている様子を伝えたいという気持ちから出た言葉です。発表準備の方も大変かとは思いますが、体に気をつけて頑張ってください。
上田さん、がんばってください!!応援してます!!!