ポートフォリオ・マジック

magic.gif昨日の記事である「本当に強い大学」に通じる話でもあるが,以前,多少触れたポートフォリオ教育について再び取り上げる.特に今回はそのポートフォリオ教育が,本学においてどのようにして強力に院生をバックアップするものなのかを伝えたい.
 
おそらく,原則修学1年(平日夜間・土曜講義)で工学修士号を取得可能な大学院修士課程は金沢工業大学大学院知的創造システム専攻だけである.本大学院にて電話受付をしていると「なぜ1年制で大丈夫なのか?」という問い合わせを聞くことが多い.しかしながら,特に「1年制」をうたい文句に院生を集めたいというわけでもない.

そのマジックとしては,これまでの既存大学院にあるような講義と研究というように,それ二つがバラバラに進むことでの二本立てスタイルの教育システムを省みている点にある.結果としては,教育と研究の関連性を高めた教育スタイルとなっている.これまでの大学院教育にありがちな「いい加減さ」や「無駄」を排除し,徹底して企業から独自にヒアリングを重ねたカリキュラムであり,実務的な側面を充分に考慮している結果でもある.

もしかしたら,こだわりを捨てれば通信制であっても1年制でも可能かもしれないし,そのような大学院もあるのかもしれない.インターネットを利用していつでもどこでも受講ができればそのメリットもあるであろう.

しかし,本知的創造システム専攻では,あくまで「大学」であり,教員と院生がフェイス・トゥー・フェイスで議論を交わす環境をこだわりたい.でなければ,本当の意味でプロフェショナルは育たないと考えるからだ. いい加減な教育システムでもないし,便利な通信制でもない.ではなぜ,1年制で修了するのか.ポートフォリオ教育がここにはあるからだ.

1年を通して完成される「ポートフォリオ」,実は入学以前の3月に各入学予定者が緻密に担当教授との間で計画を立てることで1年というある意味短時間での修了を可能としている.これを私は「ポートフォリオ・マジック」と考えています. しかしながら,このマジックは,各々の院生の努力無くしては成り立たないのも事実である.現在すべての院生がこれに取り組み,そして苦労していることも事実である.

しかしながら,この苦労はすべて自らの知識・キャリア・人間力向上のためであり,その結果は確実に自分に残る物でもある.このような他大学院には類を見ない「ポートフォリオ教育」.ぜひ興味のある方は,11月5,6日に開催される大学院説明会に参加されることを勧める. 

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コメント(2)

私は、実は、「ポートフォリオマジック」に似たようなものを、米国の大学院で体験してきた者です。

「ポートフォリオマジック」と言われているのには、びっくりしましたが、ズバリ、研究⇔講義演習の相互作用で、身につけられる物は、大きかったです。さらに、かなりの短期間で!(半年程度ポートフォリオやりました)

そして、「自らの知識・キャリア・人間力向上」と書かかれてありますが、ポートフォリオマジックは、私の人生を変えました。

ポートフォリオと出会って、確かに、自らの知識・キャリア・人間力向上しました。

皆さんもご存知だと思いますが、知識・スキル・ノウハウ・テクニックとかいうものは、日々の講義演習、研究、意見交換、ディスカッション等から身につけられものですよね。
でも、なかなか人間力みたいなものって鍛えられないんですよね。

私は、ポートフォリオマジックで、物事を論理付けて考え・聞いて・話すことや物事の概念化が得意になりました。それに、人間力(EQってとこでしょうか・・)も鍛えることができたと実感しています。

今は、おかげで、ポートフォリオマジックにかけられてから、昔からの夢だった経営コンサルになれました!

長くだらだら書いてしまいましたが、う~ん 日本にポートフォリオが有ったとは・・・びっくりです。一度ポートフォリオマジックの真意をみたら、何で日本にこの教育が浸透させていないのか、不満に思いますよ。それに、楽しいですよ。(勉強嫌いだったので・・・)

これからの大学院が、本当たのしみです。

モトぽんさん、非常に熱のこもったコメントありがとうございます。 私は実際ポートフォリオ型教育を体験したことはないのですが、客観的にものすごく強力な教育システムであろうと信じて止みません。 ポートフォリオにおけるモトぽんさんの体験談を聞けてうれしい限りです。それからご自身で体験されたことがうらやましいです。   

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