ビジネスアーキテクト専攻・1期の土曜日4限(17:00~18:30)は、髙橋晃客員教授による「企業会計・財務要論」。髙橋教授はアクセンチュア株式会社 経営コンサルティング本部にて金融業界を中心に、全社/事業部門戦略の立案と実行支援、新規事業参入やM&Aの支援等の多くのプロジェクトに参画。現在は同社戦略グループのプリンシパルを務めています。
本授業は、ビジネスにおいて企業会計・財務分野の知識を活用したいものの、まだ理解が不十分であるという方が対象。全8回の授業(下表参照)を通して、企業財務の基礎知識とビジネスでの基本的な活用スキル、そしてコーポレートファイナンスの基礎知識の獲得を目指します。
<全8回の授業内容>
【第1回】科目概要と会計の枠組み:全体観と複式簿記・財務会計の体系
【第2回】財務会計の基礎(1):複式簿記の概念と財務分析の基礎
【第3回】財務会計の基礎(2):財務分析演習
【第4回】コーポレートファイナンスの基礎(1):キャッシュフローと割引現在価値
【第5回】コーポレートファイナンスの基礎(2):キャッシュフローと割引現在価値(続き)
【第6回】コーポレートファイナンスの基礎(3):資本コストと投資判断
【第7回】コーポレートファイナンスの基礎(4):負債のメリットと最適資本構成
【第8回】企業価値評価のケーススタディ:企業価値評価演習と科目総括
7回目の授業となる今日のテーマは「コーポレートファイナンスの基礎(4):負債のメリットと最適資本構成」。
授業の前半では前回学習した加重平均資本コスト(WACC)、コーポレートファイナンスにおけるリスクの考え方、ポートフォリオのメリット、Capital Asset Pricing Model(CAPM:キャップエム)などについて復習。今日の授業の重要な前提となる部分だけに、再度丁寧に解説されていました。
続いて、今日の1つ目のテーマである負債のメリットの説明。具体的には「負債=借金があった方が、資金提供者(資本市場)へのリターンが大きくなり、当該企業への評価(=企業価値)も高まる」という考え方ですが、「負債=借金=悪い」「無借金経営=良い経営」というイメージが根強い中、初学者にはなかなか理解の難しいテーマです。
この難しいテーマについて、髙橋先生は簡単なケースを設定し、順を追って丁寧に説明を進めて行きます。スライドが大変理解しやすく、またそれに合わせた説明も分かりやすいのが髙橋先生の授業の特徴の1つです。
その後、受講生の一人から「ということは、全て負債で調達した方が企業価値は上がるのですか?」という質問が。この質問を契機に、「実はそうはいかない...」という、借り過ぎによる副作用を踏まえた最適資本構成の話へと移っていき、その後は、活発な議論で教室は盛り上がりました。
なお、本授業は次回8回目が最終回...ということで、授業の最後には演習課題の説明がありました。次回はこの課題について全員がペーパーを用意し、クラスでディスカッションを行う予定です。
※なお、より応用的な内容については3期(9月・10月)の「ファイナンス戦略特論」で学ぶことができます(6月30日より、科目等履修生を募集します)。