今回ご紹介するのは「イノベーション・ファシリテーション特論」。昨年までの「ナレッジコラボレーション特論」が、「イノベーション・ファシリテーション特論1・2」として、内容を更に充実させて今年度よりリニューアルしました。
担当するのは野村恭彦 教授。2000年に富士ゼロックスにて新規ナレッジサービス事業KDIを自ら立ち上げ、12年間シニアマネージャーとして「知識創造型組織づくり」を支援してきた、日本におけるこの分野のパイオニアであり第一人者です。2012年に独立され、株式会社フューチャーセッションズを設立、KIT虎ノ門大学院では専任教授として本科目に加えて「ゼミ」の指導を担当いただいています。
ビジネス系の社会人大学院では珍しい科目ですが、イノベーションを起こす技術を体系的かつ体験的にビジネスリーダーの皆さんに学んでもらいたいという考えのもと開講しています。詳しくは、以下に転載したシラバスの説明もご覧ください。
◆イノベーションは、技術やアイデアのコンテンツだけで起こせるものではない。組織の壁をこえて、さらには業界やセクターの壁をこえて"協業・共創"することがなければ、イノベーションを起こすことはできない
◆複雑な社会問題を解決するために、どのような"未来思考の問い"を立てればよいか、多様なステークホルダーの間でのダイアローグをどのように促せばよいか、そしてデザイン思考を使ってどのようにアイデアを可視化していけばよいか
最大の特徴は、すべての授業がワークショップ型で進むということ。テーブルを全て外して車座にレイアウトされたいつもと雰囲気が違う講義室で、楽しみながら頭と身体を動かしていきます。
取材日当日も、「ストーリーテリング」「ワールドカフェ」「マグネットテーブル」「ブレインストーミング」「プロトタイピング」など、様々な技法を実践。野村先生のサポートのもと、院生の皆さんがファシリテーター役を務めながら講義は進んでいきます。
皆で良かった点や改善点を話す振り返りも学びの多い時間です。セッションを繰り返すうちに、全員が参加し、活気ある場ができていきます。
最終回の講義(11月1日)では、学びの集大成として、院生の皆さんが具体的なソーシャルイノベーションのテーマを設定し、虎ノ門キャンパスの大教室で「オープン・フューチャーセッション:起業プラットフォームの未来〜虎ノ門・神谷町エリアに新たな起業プラットフォームをデザインする」を開催する予定です。
皆さん終了時間を過ぎても企画や役割分担について真剣に話していました。どんなイベントになるのか今から楽しみです。