今回のK.I.T.メディアシンポジウムでは、(株)WOWOW代表取締役社長の和崎信哉氏、(株)TBS取締役八木康夫氏らを迎え講演会を開催しました。当日はSkypeを活用し、ニューヨークから国際エミー賞財団会長フレッド・コーヘン氏にもライブでご参加いただき「米国におけるペイテレビの現状」について最新の情報とともにお話しいただいた。また、サプライズゲストとして南カリフォルニア大学教授のマイケル・ペイザー氏を迎えて、ここでしか聞くことのできない貴重な講演もいただいた。
当日は160人を超える多くの参加者があり、その多くが日本のメディア・エンタテインメント業界の第一線で活躍されている方々ばかり。参加者の1人は「これだけのメンバーが一堂に会すことはなかなかない」と感想を述べていました。
今回のシンポジウムは日本のみならず、これからの放送産業の行方を考えるうえで非常に有意義な時間であったかと思います。特にブロードバンド環境の急速な普及による、IPTVの注目度は増すばかりですが「やはり技術だけがいくら先行したとしても、高品質で優良な番組(コンテンツ)をいかに生み出せるかが鍵となってくる」という和崎氏からの言葉は「まさにその通りだ」と、参加していた方々も頷く姿が多数みられました。
後半に行われたパネルディスカッションでは、国内外の各講師から、様々な貴重な意見も伺うことができました。随時通訳兼モデレータを務めた北谷賢司教授は、各講演者の話をまとめる中で「この業界内でも益々若い世代の力を発揮できる場が必要である」と警鐘を鳴らしていただきました。
また、和崎氏からは「最近ではテレビ番組の視聴も、モバイルデバイスやPCなど、番組を視聴するスタイルも変わりつつある中で、いかに顧客を取り込めるか?これは誰もが模索している最中である。ある程度の投資も必要だ。ペイテレビ(プレミアムTV)の強みを発揮し、そのチャンネルでしか得られない映像を提供していくことこそが、生き残る道だ」という非常に説得力のある言葉もありました。
今回のシンポジウムでは、まだまだ聞き足りないという方も多かったように思いますが、途切れることなく質問が飛び交う中、当初の時間をオーバーしてシンポジウムは終了しました。金沢工業大学コンテンツ&テクノロジー融合研究所では、今後も最先端のメディア&エンタテインメント産業を題材としたセミナーやシンポジウムを開催して参ります。ご期待ください。