『2011年12月』アーカイブ

「組織の活性化や業績の向上を実現するために、どう部下や後輩らチームメンバーの能力と自発性を引きだすか?」

これは、企業などでマネジャー/リーダーを務めるビジネスパーソンにとって大きな悩みの一つです。そこで、本大学院ビジネスアーキテクト専攻では、第4期に「コーチング実践特論」を開講しています。

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本科目を担当するのは、日本最大のグローバル・コーチング・ファームである株式会社コーチ・エィで、専務取締役を務められている桜井一紀 客員教授

自らコーチとして活躍されながら、株式会社コーチ・トゥエンティワン(1997年)や特定非営利活動法人日本コーチ協会(2000年)の設立に参画するなど、日本におけるコーチングの普及やコーチの育成に長年携わってこられました。

全8回の講義では、「聞く」「承認」「質問」「提案・要望」「フィードバック」といったコーチングの基礎スキルを、豊富な実習を交えながら磨きます。これにより「ビジョンや価値を伝える」「メンバーを前進させ成長させる」「人の特性を活かす」といった現在のマネジャー/リーダー層に必要とされるコミュニケーション能力の獲得を目指します。

第5回目となる今回の講義は、まず前回の講義テーマであった「質問」について、2人1組のチームでコーチ役とクライアント役を交互に担当しながら実践しました。

コーチングの基本スキルの一つである「質問」。

指示によって行動を変えるのではなく、相手の「思い込み」に対して「質問=問いかけ」をすることで、相手が自らその行動を選択する状態になってもらうことをゴールとします。

この時に、受講生の皆さんに配布されたのが、コーチ・エィ社のオリジナルツール。テーマごとに効果的な質問例が数多くリストアップされており、受講生の皆さんは実践を通して質問の仕方を具体的に学ぶことができます。

やはり、普段こうしたコミュニケーション方法を意識したことがない方々も多かったのですが、桜井先生のアシストを受けながら、活発なグループワークが教室中でなされました。

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授業の後半では、これもコーチングの基礎スキルである「承認」(認める/誉める)についての講義。先生によると、ある調査では、日本人の約80%が褒められた時にモチベーションが上がるとのこと。

一言で褒めるといっても、相手が素直に受け取れないと意味がありません。例えば「凄いですね」と褒めても、相手に「そんなに褒めて何か裏があるんじゃないですか」と反応されることはあります。

だからこそ、様々な「承認」のパターンについて知り、相手や場面に応じて意図的に使い分ける必要があると言います。

たとえば褒め言葉といえば「あなたは素晴らしい」というYouメッセージが一般的です。しかし、この言い方は評価を含んでいるため、気を付けて使わなくてはいけません。

時には「君と一緒に仕事をしていて、私は本当に助かっている」(Iメッセージ)や「お前のおかげで会社全体が盛り上がった」(Weメッセージ)といった、相手から私(たち)が受けている影響を話した方が、相手に受け入れられやすいこともあるそうです。

このような使い分けを自然に行うことは難しいですが、コーチングテクニックを学び、日々の業務の中に取り入れることで、組織が変わり、成果が上がる…と思える授業内容でした。受講生からのフィードバックが今から楽しみです。

2011年度からビジネスアーキテクト専攻に新設された「グローバルビジネス特論」をご紹介いたします。

本科目は山田英二 教授にご担当いただき、様々な業界のビジネスプロフェッショナルをゲスト講師として多数お迎えする非常に魅力的かつ豪華な内容となっています。

まさにグローバルビジネスの“いま”を学ぶものであり、内容は具体的かつ最新のトレンドを取り上げ、ビジネスの実践に即応用可能なものを目指します。

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今回は、ライフネット生命保険㈱の岩瀬大輔氏をゲストとしてお迎えし「ダボス会議に学ぶ世界のリーダーたち」をテーマに、米国MBA留学の話から起業のエピソード、グローバルリーダーに求められる力などについて、90分間の熱いメッセージを頂きました。

まず始めに、米国留学中の出口社長との出会いと、生命保険市場におけるベンチャー企業の可能性についてご説明いただきました。ベンチャー企業が成り立つ条件は3つあると、岩瀬氏は言います。

「①大きな市場、②大きな非効率、③大きな変化です。日本国内に目を向けてみると、40兆円という大きな生命保険市場、世界に類を見ない高い保険料、そして1996年の保険業法の大改正と2006年の保険料の自由化。これら3つの要素に対して大きなビジネスチャンスを感じた」

また、起業直後に132億円を調達したエピソードや、すぐに訪れた契約数の伸び悩み、保険料の原価開示から始まった急成長、有名ブロガーやお笑い芸人とのコラボレーションによるメディアミックスの成功事例などなど。新進気鋭ベンチャー企業らしい失敗したエピソードも満載で、業界の常識にとらわれない大きなエネルギーを感じ取ることができました。

さらには、ライフネット生命が選ばれる理由についてもご説明いただき「ただ安いだけでは保険は売れない。生命保険業界を変えてやる!という高い志を買っていただいていると思う」と強調されていました。

後半は、2011年1月にダボス会議の“Young Global Leaders”に選ばれ出席した経験をもとに、次世代のグローバルリーダーに必要とされる資質や心構えについて分かりやすくご説明いただきました。

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ご存じの方も多いと思いますが、ダボス会議とは、選ばれた知識人やジャーナリスト、トップ経営者や国際的な政治指導者が、スイスのリゾート地ダボスに一堂に会し、健康や環境等を含めた世界が直面する重大な問題について議論する場となっています。 

数多くのエピソードを交えながら、岩瀬氏が得た貴重な経験をシェアしていただきました。特に印象に残ったのが積極的な行動の重要性です「日本人は発言しないと思われているが、私は良く喋るので驚かれた。喋る内容はあまり関係なく、とにかく発言することが大事」と言います。

また、世界のトップ経営者達と対面した際のエピソードも大変興味深く「最初、売上数兆円規模の経営者の中で喋るのは緊張したが、肩書や実績が関係ないことがすぐに分かった。そこで求められるのは、自分が誰で、何を目指し、どう思うのか、ということだけ。ちなみに、会場のチーズフォンデュとビュッフェは美味しくありません...」と、岩瀬氏の話は熱く予定時刻を大幅にオーバーしながら、受講者から挙げられた質問にも丁寧にお答え頂きました。

本大学院ビジネスアーキテクト専攻では、教員同士の繋がりで様々なゲスト講師をお呼びしご登壇いただいております。通常、アポイントメントを取ることさえ難しいトップクラスの企業経営者から直接メッセージを受け取り、意見交換をすることができます。

このように、“社会人の学び”というキーワードで繋がり、拡がるヒューマンネットワーキング。普段の仕事だけでは得難い社会人大学院ならではの大きな魅力の1つと言えるでしょう。

 

 

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