『2011年8月』アーカイブ

8月22日(月)~8月24日(水)ビジネスアーキテクト専攻および知的創造システム専攻の2011年度前期公聴会が開催されました。公聴会とは、1年以上の院生生活を通して作り上げてきた研究内容を最終的に発表する一大イベントです。

専任・客員教員の方々はもちろん、最終日には、金沢本校から石川憲一学長もお見えになり、真剣な眼差しで発表者のプレゼンテーションを聞き入っていらっしゃいました。

今回は、各専攻からお一人ずつご紹介させていただきます。

まずは、知的創造システム専攻7期生の佐古めぐみさん。「日本及び海外におけるCIPO育成のための大学院教育に関する考察」をテーマに発表を行いました。

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約200社もの国内外企業にアンケート調査を実施し、CIPO(知的財産最高管理責任者)に関する実態調査・比較調査を実施しました。

まだ馴染みの薄いCIPOですが、今後、知的財産マネジメントに精通した人材が、様々なビジネスシーンで必要とされてきます。

佐古さんは「CIPO育成のための教育プログラム・教育機関の確立が急がれる」と総括しました。

続いて、ビジネスアーキテクト専攻7期生の松下靖さんは「ナレッジコミュニティを利用した生命保険会社の競合度定量化モデルに関する研究」をテーマに発表を行いました。

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ナレッジコミュニティすなわちQ&Aサイトをサンプリング対象として、大手生命保険会社の競合度を分析し、数値(データ)の羅列を、ネットワーク図として可視化することに成功しました。

それと同時に他メディアとの比較も行い、本研究で得られたデータの有効性を検証し「ナレッジコミュニティをビジネスの面から研究した事例はまだ少ない。さらに多面的な研究を行いたい」と、今後の展望を語っていただきました。

公聴会終了後も、在学生や修了生も交えながら、様々な意見交換が行われ、新しいアイディアや研究テーマについて、夜遅くまで議論を重ねていたのがとても印象的です。

この度、公聴会を終えられた皆さま、本当にお疲れさまでした。

 

ビジネスアーキテクト専攻では、2期に「ナレッジコラボレーション特論」を開講しています。あまり聞きなれない言葉だと思いますが、「ナレッジマネジメント」と「コラボレーションの技術」がこの授業の主題です、と言えば少しイメージしていただけるでしょうか。

本科目を担当するのは野村 恭彦 客員教授。富士ゼロックス入社後、同社総合研究所、コーポレート戦略部を経て、自ら新規ナレッジ・サービス事業KDI(ナレッジ・ダイナミクス・イニシアティブ)を立ち上げた「知識創造型組織づくり」の専門家です。

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企業同士や事業部間など、利害の異なる組織を組み合わせ、相乗効果を生み出すと言うと、どうしても大局的な戦略の議論に終始してしまいがちですが、実は大きくその成否にかかわっているのが「人の行動」。

そこで、「人の行動」をより活性化し、人の行動の連鎖を生み出すための、ワークスタイル変革、知識創造の場の設計、社会イノベーション、フューチャーセンター(未来志向の対話の場)などを通して「ダイナミックな知の生態系」をデザインすることに取り組んでおられます。

では授業では具体的には何を...ということで、レジュメから全8回の授業のタイトルを抜粋して以下に掲載します。

Day 1:ナレッジコラボレーション概論
Day 2:ナレッジマネジメントの潮流(1):ナレッジシェアリング
Day 3:ナレッジマネジメントの潮流(2):コミュニティ・オブ・プラクティス
Day 4:ナレッジマネジメントの潮流(3):コラボレーション技術
Day 5:知識ワーカーと革新生産性
Day 6:変革ファシリテーション(1):会議のファシリテーション
Day 7:変革ファシリテーション(2):プロジェクトのファシリテーション
Day 8:ナレッジコラボレーションの全体レビュー

本科目の最大の特徴は、すべての授業がワークショップ型であること。野村先生や他の受講生たちとの「コラボレーション」を楽しみながら、激しく頭と身体を働かせることができます。

最終回の本日(8/9)は総まとめ。1コマ目~7コマ目で学んだ知識や技術をもとに、受講生全員が自社のナレッジコラボレーションによる変革プランを立案し、1人あたりスライド20枚でプレゼンテーションをするという内容です。

院生の皆さんのプランの発表に対し、お互いに意見を言い合う...まさに「ナレッジコラボレーション」が授業の中で起きていきます。「少人数制」の本大学院ならではの授業風景でした。

 

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