『2013年12月』アーカイブ

社会的課題の解決を目的に、その手段として事業(ビジネス)を行うソーシャルビジネス。

従来の慈善活動とも違うこうしたビジネスのあり方が、いま注目を集めています。

K.I.T.虎ノ門大学院では、新しいビジネスの潮流について学ぶ機会として、「ソーシャルビジネス特論」を開講しました。ソーシャルビジネスが登場した歴史的・社会的背景、その内容と期待される成果、及び実際の進め方について、先進的な事例と実務、及びゲスト・スピーカーの講演を通じて学びます。

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担当するのは、今年新たに招聘した岡本拓也 客員教授、そして山田英二 教授です。

岡本先生は、主に高校生の教育に取り組むNPOカタリバの理事兼事務局長であり、ソーシャルビジネスの成長支援に取り組むソーシャルベンチャー・パートナーズ東京の代表理事でもあります。つまり「現場」のプロであり、「支援」のプロでもあります。また、転身前はプライスウォーターハウスクーパース株式会社にて企業再生実務に携わってこられました。

取材日のテーマはソーシャルビジネスのビジネスモデル。ソーシャルビジネスでは、直接の受益者からだけでは十分な収益を得られないことがしばしばあります。また、NPO法人の場合は、株式会社のように株式による資金調達もできません。

そこで、企業や個人、財団など支援者からの資金調達(ファンドレイジング)が必要になります。

講義では、かものはしプロジェクトやフローレンス、NPOカタリバの事例を見ながら、ソーシャルビジネスがどう事業収入や寄付収入、会費収入を組み合わせているかについて、その戦略やポイントを岡本先生から紹介いただきました。

その後、クラス全体でのディスカッションも白熱。ただ良いことをやっていれば支援者が現れるわけでないので、どう共感を得るのか、また何を対価として提供するのかといったことを議論しました。

最後には、実際にソーシャルビジネスの現場で活動している人の報酬などについても言及があり、綺麗ごとだけでは続かない、組織構築や仕組みづくりの難しさをうかがい知ることができました。

このところ天気のいい日が続いていますが、12月に入り朝晩は急に冷え込むようになってきました。知的創造システム専攻の講義も4期に入りいよいよ一年の大詰めです。本日は「商標法令特論2」をご紹介します。

「商標」とは文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合で、営業者が商品または役務(サービス)について使用するものです。

具体的には、企業や商品・サービスのロゴマークなどがこれに該当します。そして、この「商標」の登録、権利内容、保護を定めた法律が商標法です。

本科目では、3期に開講している「商標法令特論1」で獲得した商標法の基本的知識をベースに、弁理士活動を行うにあたり十分な実務的・専門的知識を修得することを目標にしています。

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担当するのは橋本千賀子 客員教授。大学卒業翌年に弁理士資格を取得。特許事務所に勤務して、これまで国内外の商標、意匠関連のさまざまな実務に携わるとともに、海外の知財業界との交流活動などにも積極的に取り組んできたベテラン弁理士です。現在は独立して、自身の事務所を構えておられます。

こちらのページに橋本先生の講演が掲載されていますので、併せてご覧ください。

講義は、先生からの条文ごとの詳細な解説講義が中心。適宜判例を紹介しながら、具体的な理解を深めていきます。

この日、橋本先生が最近の判例として紹介されたのが「PUMA」のパロディである「KUMA」が訴えられた事件。思わず笑ってしまうような話ですが、ビジネスをしている当事者にとっては深刻な問題です。

加えて、ほぼ毎回受講者の皆さんによるレポート発表およびディスカッションが行われ、授業中には受講生2人の発表がありました。

4期になり院生の皆さんの実力もついており、非常に分かり易く、かつポイントを押さえたプレゼンテーションでした。

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