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小泉成史 (こいずみ せいし)
早稲田大学理工修士。1974年読売新聞入社。1984年マサチューセッツ工科大学ヴァヌ―バー・ブッシュ・フェロー。米国歴史博物館客員研究員。2002-06年テレビ朝日コメンテーター。03年より金沢工業大学客員教授。著書「おススメ博物館」(文春新書)など。

2016年05月 アーカイブ

 ロボティクス学科 藤木 信彰 准教授 藤木先生は子どもの頃から機械いじりが好きで「レゴ」で遊び、「ガンダム」にあこがれ、KITに進学しロボットメーカーに就職した。いわば新しい時代の典型的なロボット工学者。学生たちに好奇心を持ち続ける授業を心がけているという。

----ロボット工学を目指したのは何かきっかけがあったのですか?

 「子どもの頃から漫画が好きなので。ちょうど小学生の時にガンダムが流行っていまして。それに、もともと機械なども好きで。おもちゃを分解して中はどうなっているのだろうと。最初は電池で動く車ですかね。ステアリングの部分はどうなっているのだろうかと。そんなところから初めていろいろと」

----初期の日本のロボット工学者の中で手塚治虫の漫画「鉄腕アトム」に刺激された人が多いのは有名な話です。若い先生の時代ですと「ガンダム」なのですね。古い私はアトム世代でガンダムは名前しか知りません。ガンダムは自律しているのですか?

 「人が操縦しているのです。お腹の中の操縦席に人が入って、モニターを見ながら操縦します。ガンダムのようなロボットは実業の世界にはないです。最近、マニアの方が自分で入って操縦するタイプのロボットを作ったりしていますが。移動したりするのに大きなエネルギーを必要とします、歩行するとなると、結構上下に揺れるはずです」

----先生は富山県の高校を卒業して、KITの機械システム工学科に入学し、修士まで進まれます。

 「ちょうど1期生ですね。メカが好きで、機械のことを勉強したかったのですが、新しくKITに機械システム工学科ができるということで。機械も電気も両方学べそうだと。修士では倒立振子を研究しました。振子に円板を付けて、円板の回転で振り上げから倒立までをおこなうにはどうしたら良いかを考えるのです。いつの間にか機械でなく制御工学に興味を持っていました」

----修士の後は?

 「富山県に不二越という工作機械やロボットを作る会社がありまして、そこのロボット製造所に入りました。不二越のロボットはNACHIというブランド名で知られています。有名な那智の滝に由来すると聞いています。

 最初は試験研究で、設計して試作した産業用ロボットの耐久試験とか評価試験をやりました。こうしたロボットが作業に応じてどれだけ時間的に持たなければいけないかは決まっています。一応、その周期で一度分解して軸受とかを交換することになるのです。そこまで持つかどうかということを試験するために、ひたすら動かし、それを定期的に分解して異常がないか調べるのです」

----それは具体的にどんなロボットなのですか?

 「いろいろなことができるロボットで、持てる重量100~200kg。良く使って頂いているのが自動車会社で、溶接ですね。溶接用のガンを付けて、それでバチッ、バチッと要所、要所を。そうしたロボットの耐久試験と言うのは地味ですが、最初にどのような所が壊れるのか分かるので勉強になりました」

----不二越には何年ぐらいいらしたのですか?