今日は機械工学科の研究室をのぞいてみましょう。さすがメカを専門とする学科だけあって、工具や機材があふれる中、ひときわ目立つ製作物がありました。東勇樹さんが作る4枚プロペラのヘリコプターです。
東日本大震災をきっかけに、「救助活動を支援するために必要な技術を開発したい」と思うようになったという東さん。「陸路が使えない災害の現場では、空路での活動が必要不可欠であると考え、自律飛行するクアドローター(4枚羽根のヘリコプター)の研究に至りました」。自律飛行とは、自分で考えて動きをコントロールできるということ。4枚羽根にしたのは、積荷をたくさん載せるためです。つまり、危険な災害現場に無人で赴き、多くの物資を届けることができるわけです。まさに夢のような技術ですね。
東さんのヘリコプターはまだ自律飛行できる段階ではないものの、コントローラーで操作することは可能とのこと。プロペラを支えるフレームをアルミからカーボンスティックに変えるなど、機体を軽くして飛びやすくするため、自分なりの工夫を凝らしています。着地の衝撃を和らげるため、脚の部分を曲げて強度を高めることもしました。
社会に貢献できる技術を求めて試行錯誤する東さんの姿に、技術者としてあるべき姿を見せてもらった気がしました。次回は電気情報工学科の学生を紹介します。