2013年2月アーカイブ

最近のエコカーの省エネぶりには目を見張るものがありますよね。電気自動車にハイブリッドエンジン、アイドリングストップなどいろいろな技術がありますが、ブレーキで生じるエネルギーを加速に転用することで省エネを図る技術「回生ブレーキ」に着目したのが今回紹介する三輪純也さんです。

三輪さんはグループで「教育用ハイブリッド電気自動車」の製作に取り組んでおり、回生ブレーキシステムを担当しています。車が減速する時に発生する摩擦熱を、「電気二十層キャパシタ」と呼ばれる電気を蓄えることができる装置(コンデンサ)に送り、加速の際に再びエネルギーとして使用するという仕組みです。

「摩擦熱によって生まれる電気エネルギーが想像以上に大きく、コンデンサの定格電圧を超えてしまうので、そこを改善するのに苦労しました」と三輪さん。果たしてどうやって改善したのでしょうか?詳しくは、2月8日(金)の電気情報工学科卒業研究発表会でじっくりお聞きください。電気情報工学科の発表は6日(水)にも行われます。

今週月曜日の機械工学科を皮切りに、いよいよ卒業研究発表会が始まりました。今日は国際コミュニケーション情報工学科の小網中くるみさん、道中悠輔さんを紹介します。

2人は3年次に1年間のニュージーランド留学に参加し、オタゴ・ポリテクニクで英語と工学を学びました。その経験を存分に生かし、ソンガー・ロバート先生のもとで英語学習のためのアプリケーション開発に挑んでいます。

「神経衰弱」というトランプゲームを、誰でも一度はやったことがあると思います。小網中さんと道中さんはこのゲームを英単語でアレンジしました。「high」「low」といった対義語同士をペアとみなし、正解すると連続してカードをめくることができます。カードをめくっていくと徐々に一枚の絵や写真が現れるようになっており、途中で何の絵か当てるとボーナスがもらえる仕掛けも施し、遊び感覚で楽しく英単語を覚えることができます。難易度は、英語能力のレベルに応じて選べるようになっています。

「英語担当の外国人の先生方にもアドバイスをいただいて、使いやすく楽しげな画面を心がけました。授業の役に立てばうれしいです」と話す2人。

本日7日(木)は国際コミュニケーション情報工学科の発表初日です。ポスターセッション形式で行われますので、14:20~17:00の間にお越しいただければ2人の発表を聞くことができます。また、12日(火)13:20~15:50に2日目の発表を予定していますので、こちらにもぜひ足をお運びください。

 

 

スマホのアプリやネットゲームで、コンピュータとオセロゲームをした人は多いかもしれません。しかし、実体のあるロボットとゲーム盤を使い、オセロゲームをした人は、なかなかいないのではないでしょうか。

機械工学科の林研究室では、「オセロをするロボット」の開発が進められていました。

上画像の装置は学生オリジナルのもので、ゲーム盤の上に設置されます。コマの大きさに合わせたパイプにコマを吸い込み、器用にひっくり返す様子はお見事です。後々、産業用のロボットアームに接続し、コンピュータの指示に従って動くようにするそうです。こちらの製作は野村洋祐さん、福井俊平さんが担当しました。

一方、ロボットに指示を出すためのプログラムと、コマを認識するカメラの調整をしているのが新江航さん、藤野祥也さんです。カメラでとらえた盤上のコマの位置を認識し、コンピュータが最善の手を考えます。

今はまだ別々に製作が進められていますが、いずれシステムとロボットアームを接続し、ロボットとのオセロ対決が可能になるそうです。果たして開発はどこまで進んでいるのでしょうか?こちらの研究の発表はいよいよ来週、2月4日(月)です。興味のある方はぜひ聞きに来てください。

野村 洋祐
福井 俊

 

「ブレインマシン・インターフェース」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?頭に脳波を測定する装置を付け、「車椅子を動かす」「背もたれを起こす」などの動作を考えると、コンピュータがその脳波を指示として受け取り、実際にその動作が行われる仕組みのことです。重い障害を持った人の生活を介助する画期的な技術となるため、医療福祉技術の分野ではたいへん注目を集めている研究です。

電気情報工学科の川畑良裕さんもこの「ブレインマシン・インターフェース」の研究に取り組んでいます。右手と左手を握った時の脳波から、コンピュータがどちらの手を握ったかを予測するというもので、先生や学生の仲間に何度も脳波を取らせてもらい、多くのデータを解析しました。

「脳波というのは非常に微弱な電波なので、さまざまな電波が飛び交うキャンパスの中ではノイズが多く、正確に測定することさえ難しいんです」。

しかも、同じ動作をしても脳波が同じ波形を描くとは限らず、膨大なデータを解析したにもかかわらず、予測の成功率は「6割ほど」とのこと。いかに困難な研究に取り組んでいるかがよくわかりました。こうした最先端の技術に関心を持ち、チャレンジする意欲が素晴らしいですね。

川畑さんは4月から金沢工大情報フロンティア学部心理情報学科に編入し、研究を続けるそうです。日本の未来のためにも頑張ってほしいですね。

今日は機械工学科の研究室をのぞいてみましょう。さすがメカを専門とする学科だけあって、工具や機材があふれる中、ひときわ目立つ製作物がありました。東勇樹さんが作る4枚プロペラのヘリコプターです。

東日本大震災をきっかけに、「救助活動を支援するために必要な技術を開発したい」と思うようになったという東さん。「陸路が使えない災害の現場では、空路での活動が必要不可欠であると考え、自律飛行するクアドローター(4枚羽根のヘリコプター)の研究に至りました」。自律飛行とは、自分で考えて動きをコントロールできるということ。4枚羽根にしたのは、積荷をたくさん載せるためです。つまり、危険な災害現場に無人で赴き、多くの物資を届けることができるわけです。まさに夢のような技術ですね。

 

東さんのヘリコプターはまだ自律飛行できる段階ではないものの、コントローラーで操作することは可能とのこと。プロペラを支えるフレームをアルミからカーボンスティックに変えるなど、機体を軽くして飛びやすくするため、自分なりの工夫を凝らしています。着地の衝撃を和らげるため、脚の部分を曲げて強度を高めることもしました。

 

社会に貢献できる技術を求めて試行錯誤する東さんの姿に、技術者としてあるべき姿を見せてもらった気がしました。次回は電気情報工学科の学生を紹介します。

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