01.電気電子工学科の最近のブログ記事

金沢高専電気情報工学科を平成22年3月に卒業し、金沢工業大学に編入学した佐久間雄大(さくま・たけひろ)さんが、昨年9月に開催された平成24年度電気関係学会北陸支部連合大会計測部門の講演発表会で、優秀論文賞を受賞したといううれしいニュースが、先日学校に届きました。

佐久間さんは直江伸至教授の研究室で学び、現在、金沢工大大学院工学研究科電気電子工学専攻博士前期課程2年に在籍し、平間淳司教授のもとで小型超高感度型磁気センサ(FGMセンサ)の開発に関わっています。

佐久間さんは、そのセンサを応用して地磁気変動観測装置を開発し、地球内部の地殻変動や遠方からの太陽風などによって地磁気がわずかに変動する現象をとらえることに成功。金沢工大学園が所有する天池自然学苑に設置し、日本海側で初めて長期間にわたる地磁気変動の観測を実施しました。地球電磁気現象の解明や地震予知も視野に入る実験装置でもあり、研究の実用性や将来性を認められての受賞となりました。

金沢高専5年次に難関とされる国家資格の電験三種(第三種電気主任技術者)に合格し、編入学した金沢工大電気電子工学科では卒業式で学科代表として学位記を授与されるなど、これまでもさまざまな活躍を見せてくれた佐久間さん。すでにJR東海に就職が内定し、今後ますますの飛躍が期待されます。

電気電子工学科の4年生11名が、三重県いなべ市で開催される「小水力発電アイデアコンテスト」に出場します。

同コンテストでは、東海北陸地区の高専生が、地域の自然資源を活用した小水力発電のアイデアを 提案し、実際に設計・製作・設置に取り組みます。開催地のいなべ市で4月、6月にそれぞれ説明会 と合宿があり、金沢高専の学生も参加して現地の調査、地域住民へのヒアリングなど行いました。 それから半年以上をかけて発電設備の設計・製作を進め、いよいよ3月10日(日)に発表・審査の日を迎えます。

金沢高専チームは、既存の水路の水量が少なかったため、少ない水量で効率よく回すことができるらせん水車を発案。木枠で作った水路を新たに設置し、水路の幅を狭めて安定した水量を確保しました。水車の羽根の材質にはリサイクル可能なペットボトルの材料と同じものを使用し、製作コストを削減したうえ、環境にも配慮しています。設計図も自分たちで描き、ここでもコストを削減しました。

幅を狭めた水路を新たに製作ペットボトルの素材で作った羽

リーダーを務める中田光祐さんは「いかにロスを少なく、効率よく発電できるかを一番に考えました。木枠の水路を作るのは、建築や土木の知識がなかったのでたいへんでしたが、仲間でアイデアを出し合い、機械工学科の学生にも手伝ってもらってなんとか完成できました」と話します。

水車の設置イメージ

参加した学生の皆さんは、同コンテストを通じて、地域の声を聞いて課題を発見する力、解決するための具体的な手段を考える力、チームワークで取り組む力など、技術者としての将来に生かせる大切な力を培いました。プレゼンテーションもがんばってください。

★小水力発電アイデアコンテストプロジェクトメンバー
新井美重、今寺祐敦、折戸雅俊、北口将大、後藤啓吾、高鍬知暉、大門優樹、得田雅弘、中田光祐 、伴田将志、廣田健(以上電気電子工学科)
★技術サポート
谷内翼(機械工学科)

最近のエコカーの省エネぶりには目を見張るものがありますよね。電気自動車にハイブリッドエンジン、アイドリングストップなどいろいろな技術がありますが、ブレーキで生じるエネルギーを加速に転用することで省エネを図る技術「回生ブレーキ」に着目したのが今回紹介する三輪純也さんです。

三輪さんはグループで「教育用ハイブリッド電気自動車」の製作に取り組んでおり、回生ブレーキシステムを担当しています。車が減速する時に発生する摩擦熱を、「電気二十層キャパシタ」と呼ばれる電気を蓄えることができる装置(コンデンサ)に送り、加速の際に再びエネルギーとして使用するという仕組みです。

「摩擦熱によって生まれる電気エネルギーが想像以上に大きく、コンデンサの定格電圧を超えてしまうので、そこを改善するのに苦労しました」と三輪さん。果たしてどうやって改善したのでしょうか?詳しくは、2月8日(金)の電気情報工学科卒業研究発表会でじっくりお聞きください。電気情報工学科の発表は6日(水)にも行われます。

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