「金沢高専の南出章幸先生が、お年寄りから大人気で、老人福祉施設などから慰問の依頼が絶えない」
そんな噂を聞きつけて、南出先生の研究室にお邪魔しました。
南出先生は電気電子工学科の先生で、SONYが開発したイヌ型ロボット「AIBO」を使った研究をしています。
この「AIBO」が、ねじりはちまきに法被姿で、そろってYOSAKOIソーランを踊り、施設のお年寄りや子どもたちを楽しませているのだそうです。
「高専祭で、金沢高専らしい何かができないかと考えたのがきっかけでした」
と話す南出先生。
元々金沢高専では、AIBOをプログラミングの勉強のために、教材として取り入れていました。
そして2年前、高専祭での催しのため、先生が学生とともに取り組み始めたのが、AIBOにYOSAKOIソーランを踊らせるプログラムの開発でした。
AIBOのおなかの部分を開くと、↑のようにメモリースティックを差し込むことができ、ここにプログラムを書き込んだメモリースティックを入れると、AIBOがプログラム通りに動き出す仕組みになっています。
高専祭での舞台は大成功!
足を上げたり手を振ったり、みごとにYOSAKOIソーランを演じて、拍手喝采を浴びました。
その愛らしい動作が話題となり、昨年は2カ所の老人福祉施設を慰問して演技を披露しました。
クリスマスイブに行った慰問では、サンタとトナカイに扮したAIBOがそりに乗って登場し、お年寄りたちにたいへん喜ばれたそうです。
慰問には、高齢者向けのデジタルコンテンツを研究する金沢工業大学感動デザイン工学研究所の竹俣一也准教授も協力し、「ロボットは人間を癒すことができるか」という研究テーマにもなっています。
学生にとっては、プログラミングの勉強だけでなく、自分たちの技術で誰かが喜んでくれるということを実感する、貴重な機会となったのではないでしょうか。
パソコンでAIBOのプログラムを作る学生