2012年10月アーカイブ

今年9月、キャンパスに新しい学びの場が誕生しました。

地下1階、地上5階建、鉄骨造の近代的な建物で、設計したのは金沢高専の校舎も手掛けた、水野一郎金沢工業大学教授です。中は最上階まである大きな吹き抜けを中心に、ガラスをふんだんに使用した開放的な造りになっています。

2~5階には大小の講義室、数理工教育研究センター、基礎英語教育センター、イングリッシュラウンジなどがあり、1階には「イノベーション&デザインスタジオ」が開設されました。

「イノベーション&デザインスタジオ」とは、「パフォーミング・スタジオ」「コラボレーションスタジオ」「コミュニケーションスタジオ」「学生ステーション」の4つからなり、授業だけでなく、学生の自主的な学習や課外活動にも利用できる多目的な施設です。グループで課題をしたり、クラブのミーティングをしたり、ものづくりのスペースにしたりと、使い方はいろいろです。

 

こちらは最新のデジタル機器を活用し、グループで学習できるフリースタイルの教室「パフォーミングスタジオ」。双方向のコミュニケーションができるステージやクリッカー(応答用のリモコン)が備えられ、相手の反応をリアルタイムに把握しながらプレゼンテーションができます。壁は全面ガラス張りで、最初はちょっと緊張するかもしれませんが、慣れると開放感が気持ち良くなるはずです。

学生同士の交流の場となる「学生ステーション」。電子黒板が設置してあり、ミーティングの議事録もデジタルで保存できます。通りに面した明るい空間で、ミーティングも盛り上がりそうですね。学生の相談窓口などもあります。

2階にあるフリースペース。お昼を食べたり、勉強をしたり、おしゃべりをしたり。昼休みには、お弁当や焼き立てパンの出張販売があります。

建物は金沢高専の校舎と金沢工大キャンパスのちょうど真ん中あたりに位置しているので、自然と中間の交流ゾーンのようになり、両方の学生が入り混じって利用しています。
本格的な運用は来年4月からの予定ですが、すでにパフォーミングスタジオで行われている金沢高専の授業もあります。学生は新しい環境にもすぐになじみ、最新鋭のデジタル機器も使いこなせている様子。若者の才能を活かすに最適な機能をいくつも持った23号館。今後の活躍が期待されます。

 

 

新任の外国人の先生で最後に登場されるのは、グローバル情報工学科のマシュー・ベイリー助教です。

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-アメリカ・ニューヨーク州にあるロチェスター工科大学(以下RIT)ご出身ですね。実務経験を重視し、インターンシップ(就業体験)プログラムが充実した大学としても知られています。

学生時代、私は2つの会社で半年ずつ、計1年間に及ぶインターンシップ(就業体験)に取り組みました。そのうちの一つが、ネット通販大手のアマゾンで、これをきっかけに卒業後、ワシントン州シアトルにある同社本社で4年間勤務し、システムの基盤になるソフトウェア・プラットフォームを担当しました。実は同僚のソンガー・ロバート先生は、大学のクラスメートで、彼から金沢高専の話を聞いたり、昨年、休暇中に金沢を訪ねたりしたことが、本校に着任するきっかけになりました。

-金沢高専も、産学連携による実践型の人材育成に熱心に取り組んでいます。
教育効果は大きいと思います。私の場合、インターンシップで、いま勉強していることが、実際の仕事でどう役立つかをイメージできたお陰で、学ぶことに加速がつきました。その道のプロから直接話を聞き、影響を受けたのも貴重な経験です。インターンシップは、中間地点のように、学生から社会人へ、上手に切り替えを図る良い機会にもなりました。

-改めて金沢高専の印象はいかがですか?
先生方は、皆さん教育熱心で、学生の様子を見ながら、教育方法を改善しようとされているのが、とても印象的です。日本の学生にとって、英語で話すことは敷居が高いかもしれませんが、積極的に自分から話しかけてくれる学生も多く、感心しました。会話は、その学生に何が必要かを知るきっかけにもなるので、今後も気軽に声をかけてもらいたいですね。

-それではソフトウェアエンジニアリングを学ぶ上で、大切なことは何でしょうか?
自分がこれまで習ったことを基に、新たな変化に適応する能力を身につけることです。科学技術の世界は変化が激しく、どんどん新しい物に変わっていきます。設計を学んだ後、新しいことにどういう風に適応させるか、考えていくことが大切だと思います。

-カツ丼がお好きだとか?
シアトルに居たころから、日本食レストランでよく食べていました。その店では、カツカレーも人気メニューでしたよ。

-雪が好きで金沢の冬が楽しみというマシュー先生、どうもありがとうございました。
この後も、金沢高専の新任の先生をシリーズで紹介する予定です。お楽しみに。

秋らしいさわやかな風が吹く中、金沢高専では明日・明後日に開かれる高専祭の準備のため、学生たちが忙しなく動き回り、活気に満ちた光景が広がっています。

研究室の一画をデーンと占める暗幕に覆われた謎のスペース

そんな中、田村研究室では、間近に迫った全国高専プログラミングコンテストへの準備が着々と進められていました。

研究室の一画をデーンと占める、幅1.5m、高さ2mほどの、暗幕に覆われた謎のスペース。その影で身をひそめるように、学生たちがパソコンに向かって作業中でした。

作品は『Real House Planetarium(リアル・ハウス・プラネタリウム)』といって、星座画像を体の動きと音声で操作するシステムです。星座の名前を声に出すと、天井に映し出された星空の画面がその星座の位置まで移動します。手を動かすことでも画面を移動でき、リクライニングチェアに身を預けて天井を見上げれば、たちまち一人だけのプラネタリウムを楽しむことができます。

アイデアを出したのはリーダーの白尾彰伍さん(国際コミュニケーション情報工学科5年)。「ベッドに寝て天井を見上げた時に、星が見えたらいいと思った」ことから挑戦は始まりました。

グーグルアースやキネクトなど、既存のシステムや機器をプログラムに組み込み、連動させるのに苦労したという白尾さん。小町凌司さん(グローバル情報工学科3年)、能村晃颯さん(電気電子工学科2年)の2人と共に、来週末、決戦へ挑みます。

全国高専プロコンに出場する皆さん 左から小町凌司さん、白尾彰伍さん、能村晃颯さん

 

 

新任の先生紹介の第4番目は、機械工学科のアレクサンダー・レイ助教です。

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-前回紹介したジャスティン先生と大学の同級生だったそうですね。

 

はい、私もアメリカ・インディアナ州のローズハルマン工科大学機械工学科で学びました。ジャスティン先生と同じ年に卒業していますが、専門は機械工学で、同じクラスになることは少なかったと思います。出身は、オハイオ州のシンシナティ市です。人口31万人ほどで金沢市に近い、静かなところです。車がないとどこにも行けないような都市と違って、金沢は歩いていろいろな場所に行けるのがいいですね。

 

-機械工学を専攻された理由は何でしょうか?

小さいころは、電気製品を分解したり組み立てたりする、機械いじりが好きでした。成長するにつれて、数学と物理が好きになって、次第にコンピューターや化学に興味を持つようになりました。今は、さらに電気工学にも関心を持っています。

 

-コンピューターの分野に進まなかったのは、なぜですか?

あれは、一日中イスに座ってパソコンとにらめっこしてるでしょう(笑)。私はそれより、手を使ってものづくりをするのが好きでした。大学時代は、チームを組んで飛行機の着陸装置の一部を作るプロジェクトに取り組んだり、「ビアポン」の機械を自作したりしました。

 

-ビアポンとは何でしょうか?

ビールのピンポンというような、互いにお酒を飲み合う遊びの一種です。ボウリングのピンのように三角形に並べたカップの中にボールを投げ入れるゲームで勝ち負けを争い、負けた方がビールを飲みます。私は、このカップにセンサーを仕込んで、ボールが入ると色が変わったり、最後はブザーが鳴ったりする機械を実験的に作ってみたのです。

 

-いかにも機械好きらしいお話ですが、機械工学を学ぶ際に大切なことを教えて下さい。

何といっても基礎です。物理、静力学、製図など、基礎がしっかりしていると、自分が望む高さまで成長していくことができます。基礎がちゃんと分かっていれば、知識の乏しい人に、自分の考えを説明するのも容易でしょう。

 

-趣味では、どんなことがお好きですか?

音楽鑑賞やコンピューターゲーム、レゴも好きです。読書も好きで特に推理小説やファンタジーをよく読みます。

 

-日本そばがお気に入りのアレクサンダー先生、どうもありがとうございました。外国人教員の最後に登場するのは、グローバル情報工学科のマシュー・ベイリー先生です。

 

 

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